「相棒16」第17話と、俳優の大杉漣さんと俳人の金子兜太さんが亡くなったこと

テレビ朝日のドラマ「相棒season16」の第17話「騙し討ち」を見ました。

警視庁のサイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官の青木年男(浅利陽介さん)の区役所時代の友人というIT会社の男性社員が自宅で殺害され、パソコンが盗まれるという事件が発生しました。

青木さんからその話を聞き、捜査一課の刑事の伊丹憲一(川原和久さん)と芹沢慶二(山中崇史さん)の捜査に紛れ込んで独自の捜査を始めた特命係の杉下右京(水谷豊さん)と冠城亘(反町隆史さん)は、被害者の上司の岸和田啓吾(阪田マサノブさん)を訪ねた後、中央省庁の官僚との小学生向けのデジタル教科書の開発に関わっていた被害者の周辺の贈収賄事件を追っている捜査二課の刑事の梶健介(矢島健一さん)から、お互いの捜査情報を共有しないかと提案され、殺人事件とつながる贈収賄事件の捜査をする中で、事件の匿名の通報者だった、被害者と同じマンションの同じ階に暮らす窃盗の前科者の瀧川洋(山中聡さん)が被害者の部屋を盗聴していた可能性が浮上しました。逮捕された瀧川さんが被害者の部屋から持ち去ったとされるパソコンがコインロッカーの中から発見されると、その中に被害者が殺される原因となったデータが入っていると推理した右京さんたちは、パスワードの解読に挑むのでした。

脚本は金井寛さん、監督は権野元さんでした。

被害者宅にはオディロン・ルドンの「キュクロープス」の絵が飾られていたのですが、被害者がルドンのファンだと知った右京さんは、被害者のパソコンのパスワードをルドンに因んだものと推理し、本名の「ベルトラン=ジャン・ルドン」で開くことができました。

ただ、ルドンもその絵も、ドラマを見ていた私が思っていたのとは異なり、事件そのものには関係ありませんでした。ドラマの冒頭で言われていた青木さんが被害者の友人だったということも、その後の事件や捜査の物語には何の関係もありませんでした。

事件関係者の登場人物の誰が誰なのか、何をしている人たちなのか、私には少し分かり辛いようにも思えてしました。省庁の役人と企業の社員の贈収賄事件が関わっている殺人の事件という辺りも込み入っていて、何というか、いろいろ盛り込もうとし過ぎの回だったようにも思えました。

瀧沢さんが梶刑事の協力者だと分かった最後のほうは、良かったように思います。「我々警察官は法の正義を守るためにいるのです。組織を守るためにいるのではありませんよ」と強い口調で言う右京さんの台詞も、良かったです。

捜査二課の梶刑事とその協力者だった元窃盗犯の瀧川さんが自身の居場所(あるいは誇り)を守るために法を犯す話でもあったのかなと思います。梶刑事は、時代が進んで経済犯罪も巧妙化していく中、捜査二課が振り込め詐欺専門の部署となってしまうことに危機感を感じ、元窃盗犯の瀧川さんを協力者にして、密かに法を犯しながら、官僚と関連企業の贈収賄事件や不正の捜査をしていたようでした。そうしてそのことが知られそうになると、瀧川さんを切り捨て、逮捕させるという策に出たのですが、逮捕された瀧川さん自身は、梶刑事に切り捨てられたとは思っておらず、それで自分が犯人逮捕の役に立つのならむしろ本望だという風に思っていたようでした。

捜査二課の刑事の梶さんが犯罪者になって終わるという展開は私には少し意外だったのですが、全体が捜査二課の話であるなら、特命係になる前の右京さんは捜査二課の刑事でもあったので、そのことが多少なりとも活かされていてほしかったようにも思います。右京さんが二課にいたことが物語の中で全く触れられないというのは、少し不自然のような気がしました。もったいないようにも思えたのですが、でも、ともかく、次回の「相棒16」もまた楽しみにしていようと思います。


ところで、この「相棒16」の第17話が終わった直後の「報道ステーション」の冒頭のスタジオに俳優の大杉漣さんの写真が置かれていたので、何だろうと思ってそのまま見ていると、大杉漣さんが亡くなったという報道だったので、驚きました。大杉漣さんは、テレビ東京のドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」の撮影中に腹痛を訴え、松重豊さんに付き添われて病院へ行って、午前4時前に急性心不全で亡くなったということでした。66歳だったそうです。

本当に「急逝」なのだと思うのですが、日本テレビの「ぐるナイ」のゴチでも、昨夜に放送されていた「バイプレイヤーズ」の第3話の中でも元気そうでしたし、あまりに急過ぎて、嘘みたいに思えます。映画やドラマの一視聴者として、大杉漣さんがいなくなってしまったことをとても寂しく思いますし、残念に思います。

「心不全」は病因がよく分からない時にも付けられる病名と聞いたことがあるのですが、病気ではなかったという大杉漣さんの突然の腹痛と心不全には、何か因果関係があるのでしょうか。

昨夜には、韓国の平昌冬季オリンピックのスピードスケート女子団体パシュートのオランダ代表との決勝で、日本代表がオリンピックレコード(新記録)で優勝して金メダルを獲得したことを嬉しく思えたのですが、その生中継の頃に放送されていた、ドラマ「バイプレイヤーズ」の第3話(島に来た女性バイプレイヤーたちに浮かれるバイプレイヤーたちが高熱で寝込んでいる田口トモロヲさんの存在をすっかり忘れてしまうという話でした)の「バイプレトーク」の後のエンディングの最後のところに、「大杉漣さんが、本日急逝されました。心よりご冥福をお祈りします」とのメッセージの字幕が出ていました。

大杉漣さんは「相棒」のドラマでは衣笠副総監を演じていますが、本当にたくさんの映画やドラマに出演している名バイプレイヤーの俳優さんで、いつも穏やかで優しそうで、私には、何となく、論理的な難しい台詞を言う役が上手な方という印象もあります。昨夜のドラマ「バイプレイヤーズ」の中で、高熱の田口トモロヲさんがリーダーの大杉漣さんに、早く戻ってきてとメッセージを送っている場面があったのですが、一視聴者の私もそのような気持ちになりました。

また、昨夜の報道で、俳人の金子兜太さんが20日に亡くなったということを知りました。19日には、時事通信社が金子兜太さんの訃報を謝って配信し、1時間後に誤報として取り消して謝罪した、というような報道がありましたが、それは何だったのでしょうか。20日に亡くなった金子兜太さんは、98歳だったそうです。報道では、死因について、誤嚥性肺炎による急性呼吸促迫症候群と言われています。

埼玉県出身の金子兜太さんは、育った秩父の地を「産土(うぶすな)」と呼んで愛していたそうです。金子兜太さんの訃報を伝えていた昨夜のTBSラジオの「荻上チキ・Session-22(セッション22)」では、絶滅したとされているニホンオオカミを「大神」として敬う信仰が今も残る秩父山地に思いを馳せる、金子さんの「おおかみに螢が一つ付いていた」の一句を、俳人の堀本裕樹さんが紹介していました。山の森の闇を行く狼と小さな光を放つホタルという組み合わせを思うと、何か不思議な、幻想的な感じがします。

金子さんは、東京帝大経済学部を卒業し、日銀に就職した後、海軍経理学校に入学して、1944年の3月にミクロネシアのトラック島に赴任した金子さんは、日本からの食料補給が断たれ、仲間たちが次々と死んでいったというトラック島での理不尽で過酷な戦争体験から、血の滲むような平和への強い思いを培い、戦争を二度と繰り返してはいけないと、反戦と平和を訴え続けることを貫いてきたということでした。「積極的平和主義」なる武力による圧力を外交手段として用いる方針の安倍政権が2015年に(集団的自衛権を認め武器輸出や武力攻撃を可能にする10本の法案を一括した)安全保障関連法案を国会で押し通そうとしていた頃、その法案への反対を訴えるデモの方々が掲げていたプラカードの「アベ政治を許さない」という力強い墨字のメッセージは、ノンフィクション作家の澤地久枝さんの依頼を引き受けた、金子兜太さんの筆によるものでした。

野中広務元内閣官房長官や作家の石牟礼道子さんに続き、また戦争時代を知る、自由と平和を模索し続ける方が亡くなってしまうということに、無力感というか、脱力感のようなものを少し覚えてしまうような部分もあるのですが、今生きている私のような人が、非力だとしても、その方たちの思いを少しでも受け継いでいくことができるように、忘れずに、考え続けていくことができればいいなと思います。
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