日本の公文書管理問題や女人禁制のことなど

スタジオジブリの高畑勲監督が82歳で亡くなったということを伝えるニュース番組の中で、戦争体験から安全保障関連法や沖縄県の辺野古の米軍基地建設にも反対していた高畑勲監督の平和を求める思いや今の政権への危惧を伝えているものはあまり多くはありませんでしたが、その一方で、報道番組や新聞などのメディアでは、財務省の森友学園関連の公文書改竄事件や、厚生労働省の偽裁量労働制データ問題や年金機構個人情報流出問題の後、「存在しない」と国会で稲田防衛大臣が答弁していた自衛隊の南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)時の日報や、イラク戦争直後のイラク派遣時の日報が相次いで「見つかる」という出来事や、国土交通省の大阪航空局と気象庁大阪管区気象台の廃棄予定の大量の公文書(機密文書を含む)が大阪の路上に散乱しているという出来事(本当は裁断してから処分する決まりになっているというその廃棄された機密文書を今回扱っていた業者のトラックに、後に散らばる文書はどのように積まれていたのでしょうか)など、日本の公文書管理のずさんさや雑さ、政府が陸上自衛隊や航空自衛隊の「シビリアンコントロール」(文民統制)ができていないことを露呈する問題が相次いでいることが連日報じられています。

陸上自衛隊トップの山崎陸上幕僚長は、大臣の指示が部隊の末端まで及んでいなかったことは極めて大きな問題と認識している、と会見で述べていました。自衛隊トップの河野統合幕僚長は、国会に背信的な行為をしたと思われても仕方がない、と会見で述べていました。日報を探すよう指示していた稲田前防衛大臣(指示は正式な文書ではなく、口頭で出していたそうです)や小野寺防衛大臣は、日報の「発見」後にすぐに大臣に報告されなかったことを遺憾に思っているということのようで、最近では、「行政府の長」の役割を果たせていない官邸や政府が財務省の公文書改竄と隠蔽を理財局だけの責任にしているように、防衛省の研究本部教訓課という課の責任にしているように報道されているような印象も受けるのですが、省庁の勝手な暴走だという説は、本当なのでしょうか。

稲田議員が防衛大臣だった昨年の2月頃に存在が否定されていたイラク派遣時の日報が今年に入って「見つかった」ことについて、シビリアンコントロールはできているとする小野寺防衛大臣は、私もおかしいと思って今回指示を出したらこのような事案が見つかった、という風に会見で(自分のお手柄のように)話していたのですが、日報が存在しないとされたことを、その当時には(あるいはせめて昨年の内には)おかしいと思わなかったということでしょうか。

そもそも、財務省や文部科学省や国土交通省や厚生労働省や防衛省や外務省など(外務省については、本当なのかどうかよく分かりませんが、北朝鮮が日本の上空を通過するミサイルを発射した後に行った日本政府の「外交ルートを通じて厳重に抗議した」が中国の北朝鮮大使館にFAXを送っていただけだったということが言われています)の省庁の役人の方たちが、日本社会の未来のために大切な文書であるはずの公文書を、分かりやすく管理しておきたくない、破棄して一切処分したい、政治家や国民に対して隠しておきたいと考える理由が、分かりません。

仮に、報道で言われているように、この文書が公表されれば総理大臣や自分たちの省の大臣が辞任することになるかもしれないということがあったとしても、もしも安倍官邸の「内閣人事局」を役人の方たちが恐れているということが本当だとすれば、その文書を積極的に世に出したほうが自分たちのためにもなるのではないでしょうか。この文書が表に出れば大臣は辞任することになるかもしれない、それならぜひ辞任してもらおう、とならないのはどうしてなのでしょうか。行政組織内で公文書の隠蔽や改竄が行われたことが、役人の勝手な行為なのか政治家の指示(文書での指示以外にも、口頭での指示や暗黙の指示や教唆なども含む)に従ったということなのかはまだ判明していないとしても、事実としてはあるので、行政府の長という政治家の方にも多分に責任はあるように思います。安倍政権の指揮系統に問題があるということでもあるのかもしれません。不適切だと批判された自身の発言を「誤解を招くような発言」とし、「撤回する」として終わらせようとする人は、反省していないのではないかと思います。

先日のNHKのニュース番組の中で、内閣府公文書管理委員会の委員で学習院大学の学長という井上寿一さんは、先進民主主義国は、どこでも自分の国がどういう国であったのかをきちんと検証するシステムがあって、国民が容易にアクセスできるようになっている、それが民主主義を強くすることにもなるが、その点に関して日本は見劣りしている、罰則規定を設け、第三者委員会や機関を設けて、より客観的にチェックするべきだと話していました。

防衛省設置法改正で「文官統制」を廃止し、いわゆる「背広組」(官僚)と「制服組」(自衛官または軍人)を対等にした安倍政権下では、アメリカ海兵隊の自衛隊版?という「陸上総隊」が先月末に陸上自衛隊内に創設されたということですが、東京都福生市の横田基地にアメリカ軍の輸送機CV22オスプレイ5機が周辺住民への説明もなく急遽配備されることになったこと(オスプレイが配備されるのは沖縄県の普天間の在日米軍基地以外では国内初となるそうです)も含め、日米地位協定で日本の土地や上空を米軍に支配されたままの状態で、日本国憲法の第9条を今の時代に合わないからとか、GHQに押し付けられた憲法だからとか、祖父の代からの悲願だからとかで変えようとするのはやめてほしいと思います。詳しいことは分かりませんが、でも、自衛隊は違憲とし集団的自衛権は合憲とする安倍首相やその周囲の方たちの考えの下では、自衛隊の方たちが、今よりももっと危険な目に遭うことになってしまうのではないかなと思います。

警視庁が改正案を提出し、先日採決されて今年の7月から施行されるという東京都の「迷惑防止条例」が、ストーカー規制法ということ以上に、東京都版の共謀罪なのではないか、治安維持法なのではないかとも言われているのですが、東京都は、というか国(政府)は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定の2020年までに羽田空港の国際線の旅客機の発着回数を大幅に増やす計画を進めていて、その「新ルート」では、飛行機が新宿や渋谷などの繁華街や、代官山や目黒や高輪や品川の辺りを低空飛行で飛ぶということなので、東京都も、(辺野古の海にも新しい米軍基地が建設されようとしている沖縄県と同じではないですが)大変なことになっていくのかもしれないなと、何となく思いました。

あと、今は、今月の4日に大相撲の春巡業の挨拶をしようとしていた舞鶴市の多々見市長が土俵上で突然倒れ、病院長でもあった市長を助けようと土俵の上に駆け付けた看護師の女性たちに向かって、女性の方は土俵を下りてくださいという行司のアナウンスが流れたという問題も報じられていますが、相撲の「“女人禁制”の伝統」は、西洋の文化や文明を早く取り入れようとするあまりに江戸時代までの文化や文明を否定し出した、明治時代以降に作られたものなのだそうです。

神格化されている山や島が女人禁制になっている場合に、神様が女性だからという風に説明されることもありますが、天照大神も女神ですし、昔は女人禁制にされていた富士山(浅間神社では木花咲耶姫が信仰されています)も今では(明治時代以降)年齢や性別に関係なく誰でも登山できるようになりました。歌舞伎が男性ばかりになったのは江戸時代からで、歌舞伎の基礎を作った出雲阿国さんは女性です。それに、男性が考え出したという、女性には「穢れ」があるとする説は、女神様にも失礼ということになるのではないでしょうか。「女性は穢れている」という説を仏教の僧侶が広めたというのが本当なら、神道の神事を起源とする行事にその考えが取り入れられていることも奇妙です。女性の神様が男性(異性)を好きで女性(同性)を嫌うとする説も、よく分かりません。八百万の神様がいらっしゃるのなら、神様によっては、その逆であっても良さそうなものです。

山の頂や孤島が古くから「女人禁制」になっていたことについては、女性たちを危険から守るためにそういう決まりを作ったのかなと思える部分もあるのですが、相撲の土俵は危険な場所にあるというわけではありません。日本人は「伝統」に弱いということなのかもしれませんが、江戸時代までの「伝統」が明治時代に変えられたのなら、あるいはある時代までの「伝統」が次の時代に変えられるのなら、「伝統」とは今でも意外と簡単に変えることができるものであるような気がします。
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