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「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」第1話

フジテレビの「月9」枠の新ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」の第1話を見ました。初回は30分拡大版で放送されていました。

ドラマ「絶対零度~未解決事件特命捜査~」と「絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~」は、2010年と2011年にフジテレビで放送されていた上戸彩さん主演の刑事ドラマだそうです。その頃は火曜日に放送されていたようです。

私は過去の「絶対零度」シリーズの作品を見たことがないため、それと比べることはできないのですが、今作の「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」は、過去の「絶対零度」とは全く別のドラマなのでしょうか。それとも、いわゆる「スピンオフ」のようなドラマなのでしょうか。全く別のドラマであるなら、同じタイトルにする必要はなかったのではないかなと思います。

拡大版で放送されていた「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」の第1話は、登場人物の紹介も兼ねていたのだろうと思います。元公安外事第二課のエリート刑事だった井沢範人(沢村一樹さん)は、追跡中の被疑者を銃殺した罪か何かで投獄されていたところ、警視庁の刑事企画課特別捜査官の東堂定春(伊藤淳史さん)に呼ばれて、総務部資料課分室の刑事となりました。総務部資料課分室には、犯罪者に過度な暴力を振るう小田切唯(本田翼さん)、資料課に居続けている南彦太郎(柄本時生さん)、様々な部署をたらい回しにされてきたという田村薫(平田満さん)、特殊捜査班でバディを組んでいた桜木泉(上戸彩さん)の失踪事件を追っている山内徹(横山裕さん)がいます。

資料課分室では、日本国民全員のあらゆる個人情報を解析し、過去15年分の犯罪記録と照らし合わせることによって、AI(人工知能)がこれから起こる重大犯罪、主に殺人を犯す可能性が高い危険人物を割り出す未然犯罪捜査システム・通称「ミハン」システムの実用化プロジェクトというものが、国民と大部分の警察官に対して秘密にされたまま進行していました。

テスト段階というミハンシステムの正確率は90%ということで、冤罪が出る可能性もあることから、資料課分室の未然犯罪捜査班のメンバーたちは、現代では違法捜査に当たる、まだ罪を犯していない人物を犯罪者と決めつけて捜査することに違和感を感じつつ、ミハンシステムが割り出した殺人犯予備軍の人物による殺人と未然に防ぐための潜入捜査を始めていました。

脚本は浜田秀哉さん、演出は佐藤祐市さんでした。複数の脚本家の方と演出家の方が担当するドラマのようです。

近未来の話なのかなと思うのですが、何となく古い感じのする刑事ドラマでもあったように思います。資料課分室も、また倉庫のような場所にありました。スマートフォンと連動させた骨伝導で会話ができる腕時計型通信機?には近未来の雰囲気もあったように思いますが、スマートフォンのGPSを使った追跡や机の下に付ける盗聴器やペン型の盗撮機は、少し前からある現代のものです。

登場人物たちが矢継ぎ早に話す(他の人が話した直後に重なるか重ならないくらいかの感じで話す)ところなど、私にはいつも少し不自然に思えてしまうのですが、ドラマらしさはあったように思います。

ただ、この刑事ドラマにおける重要な操作システムである、肝心のミハンシステムの仕組みが、はっきりとは描かれていなかったので、いまいちよく分かりませんでした。国民に関する膨大なデータからAIが殺人犯予備軍を割り出す、ということは分かるのですが、東堂さんの台詞による解説だけで具体的な描写がなかったので、そのすごさや怖さのようなものが分かりませんでした。

捜査一課の巡査長の板倉麻衣(田中道子さん)と警部補の早川誠二(マギーさん)という登場人物もいるのですが、その早川刑事は資料課分室を「人材の墓場」と呼んでいて、捜査一課と未然犯罪捜査班とは別々に捜査をしているようなので、未然犯罪捜査班の刑事たちにとってはミハンシステムが捜査一課の役割を代わりに果たしているという印象でもありました。

殺人犯予備軍としてAIが割り出した富樫(武井壮さん)が殺されていたことが分かったことをきっかけに、捜査の方向性は変わり、西田(米村亮太朗さん)と須藤(成河さん)と前川(山本浩司さん)という人物が関与する香港と韓国と日本の空港を利用した金塊密輸事件を解決していたのですが、富樫さんの行方を追う中で田村さんが作っていた、見えない血痕を見えるようにするスプレーが何なのかも、よく分かりませんでした。ブラックライトのような光がなくても、見えない血痕が暗闇の中で青白く浮かび上がって見えるスプレーでした。

少なくとも昨夜の第1話は、大きな罪を犯す人物を検挙するためにその前の小さな罪を見逃すという、警察官の正義感の良し悪しが問われる物語でもあったような気がするのですが、結局、AIが違法に集めたビッグデータを基に違法に捜査する未然犯罪捜査班は、何を未然に防ぐことができたのでしょうか。仮に第二の殺人を未然に防ぐことができたのだとしても、暴力や傷害、殺人未遂を未然に防ぐことはできませんでした。そのため、第1話を見た印象では、他の刑事ドラマとそれほど変わらなかったような気がします。犯罪捜査の情報元が捜査一課の刑事さんかAIシステムかの違いです。しかも、はっきりとは描かれていないAIのミハンシステムは、テスト段階の未完成品です。

中途半端なコメディー要素やアクションのためのアクションの場面が良かったのかどうか、私にはよく分からなかったのですが、捜査にAIが使われることを思うと、もっとSF風の作りのドラマになっていても良かったのではないかなということも、少し思いました。

国民を監視して得たビッグデータを使った捜査というようなものは、現実の日本の警察の捜査にもいずれ導入されるのだろうと思うのですが(犯罪者らしき人を割り出す仕組みを実際に使っている場所もあるようです)、未然に防がれた犯罪は、それ自体犯罪ではないので、ドラマのミハンシステムのような仕組みは、つまり、犯罪者を出さない仕組みということになるのでしょうか。そしてそれは、刑事さんたちの能力がこれまでよりも試される仕組みでもあるのかもしれません。

もしも、ある日小さな子供が何者かに殺害されて、その殺人犯が自分はこの子供が40年後に殺人犯になることを知っている、だから今のうちに殺したのだ、自分もたった今殺人者となったが、未来の犯罪者の出現を防ぎ、未来の犠牲者を救ったのだと主張した時、一体誰がその殺人犯の話を信じるでしょうか。現在にはその殺人犯の主張の正しさを証明する方法はありません。

ドラマのミハンシステムのようなものでは、計画性のある犯罪を防ぐことはできても、計画性の低い犯罪を防ぐことは難しいかもしれません。性犯罪や付きまとい行為や小動物殺害や窃盗などの前科のある人物による次の犯罪を防ぐことはもしかしたらできるかもしれませんし、できるならすごいことだと思いますが、未来の犯罪を防ぐ、ということは、未来を知っている人以外には、本当にはできないことのように思います。

それに、国民を監視して得た国民の情報が、(年金の個人データの流出事件と同じように)海外へ流出することもあるかもしれません。それを悪い政治家や犯罪者たちが入手することもあるかもしれません。デジタルデータが扱いやすいものなら、それは誰にとっても扱いやすいものということになります。ドラマのミハンシステムがどのような責任の下で運用されているものなのか分かりませんが、どちらかというとネガティブ思考をしてしまいやすい私には、社会の安全にとって良さそうなものというよりは、リスクが高そうなものに思えます。

犯罪(主に殺人)を未然に防ぐためのAIを使うこのドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」が、犯罪者と犠牲者を一人も出さない刑事ドラマにはならないのだろうと思いますが、もしもそのようなドラマになるなら、他の刑事ドラマとは異なる刑事ドラマになるのかもしれないなと思いました。
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