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「健康で文化的な最低限度の生活」第1話

フジテレビの新ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」の第1話を見ました。初回は15分拡大版で放送されていました。関西テレビ制作のドラマです。

父親が教師で母親が専業主婦という平凡な家庭に育ち、大学を卒業後、安定した生活を求めて地方公務員となり、東京都東区役所の生活課の係長の京極大輝(田中圭さん)の下に配属された映画好きの新人ケースワーカーの義経えみる(吉岡里帆さん)が、指導係となった先輩ケースワーカーの半田明伸(井浦新さん)と共に生活保護を受給している人の家庭を訪問し、その人たちの人生と深く関わり合いながら、その生活を支えようと奮闘する中で、ケースワーカーとして、一人の人間として成長していく物語のようでした。

脚本は矢島弘一さん、演出は本橋圭太さんでした。音楽はfox capture planで、オープニングには安田レイさんの「Sunny」という曲、エンディングに流れる主題歌にはAAAの「Tomorrow」という曲が使われていました。

ドラマの原作は、私は未読なのですが、柏木ハルコさんの漫画『健康で文化的な最低限度の生活』です。ドラマのタイトルは、「ケンカツ(健活)」と略すそうです。

えみるさんの名字が「義経(よしつね)」と聞いて、源義経のようだなと思ったのですが、義経さんという珍しい名字の方は実際にいるのだそうです。

社会福祉制度のことをよく知らなかったえみるさんは、東京都東区役所(東区は架空の区です)の生活課に配属されるとすぐに110世帯の担当を任され、性格も生活も様々な人々の資料を読み込みながら不安になっていました。

区役所の古い自転車に乗って、先輩の半田さんと一緒に外回りへ行くことになったえみるさんは、病で床に伏し生活保護を受けながら小学生の孫と二人で暮らしている認知症かもしれない丸山さんを訪ね、部屋の汚れと異臭に戸惑うのですが、その部屋の中で顔色一つ変えずに穏やかに丸山さんと話す半田さんの、もしも丸山さんが自分の母親で役所の人に嫌な顔をされたらどう思うかという風な、制度の利用者の立場に立った物事の考え方に影響を受けていきました。丸山さんの小学生の孫は、役所の職員をあまり信用していないようでした。

えみるさんが帰ってきた後外回りに出ていた同期の栗橋千奈(川栄李奈さん)が夕方に戻ってくるまでずっと、先輩ケースワーカーの石橋五郎(内場勝則さん)が役所内で説得しようとしていた、自殺をすると言う生活保護受給者の平川さんと電話で話していたえみるさんは、自殺を思いとどまらせたいと思いながらも、話すのに疲れて、少し面倒に思って電話を終わらせようとした。平川さんが電話を切った後、えみるさんは、区役所で直接話したいと留守番電話のメッセージに残したのですが、翌朝、平川さんが自殺したことを知らされて自責の念に駆られ、それから真剣に仕事に取り組むようになったようでした。半田さんと平川さんの部屋を訪ねたえみるさんは、整理された部屋の中に、求人誌が置かれていて、平川さんが好きだったらしい山の写真や癌で亡くなったという妻と登山をした時の写真などを見て、平川さんは生きようとしていたのだと気付いていました。

ずっと咳をしている生活保護受給者の阿久沢正男(遠藤憲一さん)は、役所の人と会うと緊張し、緊張すると咳が止まらなくなるという人でした。家庭訪問をして、一日一食の生活を送っているという阿久沢さんが密かに借金の返済をしていたということを知ったえみるさんは、阿久沢さんに「法テラス」へ行くことを勧めました。

もう放って置いてほしいと自分の情けなさに追い詰められている阿久沢さんをもっと追い詰めそうになっていたえみるさんは、半田さんに制止されました。半田さんからもらった缶コーヒーを飲みながら、阿久沢さんは、父親の代から受け継いだ印刷会社を倒産させたことや、妻が娘を連れて出て行ったことなどを話していたのですが、「法テラス」へ行くことは拒絶し続けていました。

映画が好きで、似ている人を見かけたと映画館の前に立ち続けて警察官に連行されていた阿久沢さんが、15年前に行き別れた娘に会いたいと思っているのではないかと資料を見ていて気付いたえみるさんは、映画館の前にいた阿久沢さんに声をかけ、本気で人生をやり直しましょうと、一緒に「法テラス」へ行きました。借金の書類を調べた担当者から、過払いがあると言われた阿久沢さんは、借金をすでに返し終わっていたということを知って安堵し、えみるさんに感謝していました。えみるさんも、阿久沢さんに感謝していました。えみるさんと阿久沢さんが、やったー!と二人でハイタッチをして喜び合っていたのが、さわやかでした。ドラマを見ていた私も、嬉しい気持ちになりました。えみるさんによると、阿久沢さんには150万円ほど戻ってくるということでした。

平川さんの自殺にショックを受けて悩んでいたえみるさんは、先輩ケースワーカーから、担当が一件減って良かったと思えばいいと慰められていたのですが、平川さんが生きようとしていたと知った時、先輩の言った言葉を思い出して、そう言ってしまったらお終いだ、大切なものを失くしてしまうような気がすると心に留めていました。

えみるさんの上司の京極係長は、生活保護費は国民のお金なのだから最低限度以上に支給する必要はないとドライに考えている人で、えみるさんの指導係の半田さんは、「ドーナツ」を「ドーナッツ」と言う人で、常に飄々としているのですが、利用者を個人として尊重しその思いに寄り添おうとする人のようでした。

TBSのドラマ「アンナチュラル」の中で井浦新さんが演じていた中堂さんのいつも苛々しているような高圧的な言動のキャラクターを、私はあまり良く思うことができなかったのですが、このドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」の半田さんの飄々としたキャラクターは、井浦新さんに合っているように思えるというか、眼鏡のレンズが時々キラーンと光るところなども面白くて、良かったです。

半田さんは、生活保護制度は国民の生活を救う最後の砦だという風に話していたのですが、ドラマのタイトルの「健康で文化的な最低限度の生活」は、『日本国憲法』の第3章の第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」という、個人の生存権を国が保障することについて規定した条文の言葉から付けられたものだそうです。

「健康で文化的な最低限度の生活」の本当の意味が分かる日はいつ来るのだろうかというようなことを、主人公のえみるさんは考えていました。京極さんは、ケースワーカーの仕事について、優しすぎる人には続かない仕事だと半田さんに話していたのですが、えみるさんは真面目で熱心で優しい性格のまま、悩みながらケースワーカーの仕事を続けていくことになるのでしょうか。

えみるさんの同期には、古い自転車に油を差しておいたから今度は変な音がせずに乗ることができると言って、この仕事は向いていないのではないかと悩んでいたえみるさんを励ましていた社会福祉制度に詳しい栗橋さんの他に、七条竜一(山田裕貴さん)や後藤大門(小園凌央さん)や桃浜都(水上京香さん)がいます。

えみるさんたちも含め、区役所の職員の方たちの生活保護に対する考え方は、人それぞれであるようでした。今回では主に主人公のえみるさんの初めての仕事が描かれていたので、新人ケースワーカーたちの“群像劇”のようにはなっていませんでした。

川や土手、自転車や青空の風景が、印象的でした。現実的には生活保護世帯の話は重い話になるのだろうと思いますし、ドラマでもシリアスに描かれているのですが、第1話を見た限りでは、重苦しさのようなものはそれほどないように思いました。えみるさんの成長物語に軸足を置いているためかもしれません。

生活保護制度に関する事件としては、神奈川県の小田原市役所の職員の方々が「生活保護なめんな」、「私たちは正義」、「不正受給者はクズだ」というようなローマ字や英語で書かれた文言を印刷したジャンパーを着て生活保護世帯を訪問していたという昨年の事件が記憶に新しいと思うのですが、生活保護受給者を威圧していると批判されたその事件の後、小田原市はすぐに改善策を検討し、それまでの生活保護行政を大きく変えたのだそうです。

詳しい内容はよく分からないのですが、生活保護を受けている人を「受給者」ではなく制度の「利用者」と呼ぶことにしたというのは、良いことであるように思えました。

生活保護に関しては、ニュース番組などでは時々不正受給の話題を聞くこともありますが、本当に不正のものは実際には全体の1%に満たないくらいで、申請者が申告を間違えたものがあるとかの悪意のないミスのもので不正と数えられているものもあるそうです。普通に生活保護を受けている人のほうが圧倒的に多い上に、本来なら生活保護制度が適用されるべき人であっても申請をせずに困窮したギリギリの生活を続けている人も多いのだそうです。

私も社会保障制度や生活保護制度や自立支援制度などのことをよく知らないのですが、今の政府(自分たちの都合のいいように公文書や発言内容や法案作成に必要なデータを改竄・捏造するような政府でもあります)が社会的に弱い立場にいる人へのお金の支給を次々と打ち切っていることを不安に思います。ドラマの中の役所のえみるさんのような職員の方たちが、様々な事情を抱えたまま生活に困っている人たちを救おうとどんなに頑張っても、国の制度が弱い立場にある人を救わないものであるなら、救うことはできないのではないかと思います。

生活保護が「最後の砦」や「最後のセーフティーネット」などと呼ばれるものにちゃんとなっているのかどうかということも、私には分からないのですが、今回のドラマを見ながら、生活保護制度とは何か、個人によって異なるようにも思える「健康で文化的な最低限度の生活」とは何かということを、自分や身近な人のこととして考えることができるようになるといいなと思いました。少なくとも第1話は、良かったです。丁寧に作られているドラマのように思えました。


ところで、今日も35℃以上(岐阜県は40℃になっているそうです)の猛暑日が続いていますが、西日本豪雨の水害の被災地も猛暑で大変ということが報じられている中、昨日には、高温注意報が出ていた愛知県豊田市の小学1年生の男子児童が校外学習(校外授業)から学校の教室に戻った直後、意識を失って死亡したという報道がありました。その授業の行き帰りにも教師に疲労感を訴えていたという男子児童は、熱中症が重症化した熱射病で亡くなったということでした。

高温注意報が出ていたのにもかかわらず、公共の遊具で友達と仲良く遊ぶことを児童に教えるという目的のためにその校外授業(他の小学校でも今はこのような授業があるのでしょうか)を実行したということに驚きました。校長先生は判断が甘かったと話していましたが、判断が甘かったというよりは、子供の命を守ることより、決まっていた授業をその通りに行うことのほうを優先したということなのではないかと思いました。私には、大人たちが(大人たち、とまとめてはいけないのかもしれませんが)乱獲のために絶滅危惧種となっているというウナギを守りたいのか、食べ続けたいのかもよく分からないように思えるのですが、少子化について困るとか言いながら、大人たちは今生きている子供たちを守ろうとしていないようにも見えます。全部の大人たちがそうということではないと思いますが、何となく、そのように思えます。

亡くなった児童と同じクラスの児童たちも、同じクラスの人が突然亡くなったことにショックを受けているのではないかと思います。先週のBS-TBSの「週刊報道LIFE」(安倍政権のカジノ法案や水道事業民営化法案や働き方改革の高度プロフェッショナル制度の背後にはアメリカ政府の考えが動いているのではないかということを伝えていました)の中で、戦後アメリカの提唱する「原子力の平和利用」に携わり「日本原子力の父」と呼ばれていたという、昨年の7月に93歳で亡くなった元科学技術事務次官の伊原義徳さんの生前のインタビューの映像を少し紹介していたのですが、伊原さんは、日本には「プロジェクト不滅の法則」がある、間違っていると気付いてもプロジェクトを見切りたくないからいつまでもそれにしがみついてやめられない、それが日本の問題だという趣旨のことを話していました。猛暑日で暑くて健康に悪影響が出る可能性が高いのに先生たちが計画を中止せずに児童たちを引き連れて炎天下の片道徒歩20分という場所での校外授業に出かけたというニュースを聞いて、先生たちの「正常性バイアス」によるものなのだろうか、日本の「プロジェクト不滅の法則」によるものなのだろうかと、不思議に思いました。今年100周年という甲子園での夏の恒例の全国高校野球選手権大会も、計画通りに行われるのでしょうか。熱中症には暑い建物の中にいてもなるそうです。水分の補給をすることが大事なのだそうです。このまま40℃近い気温の日がいつまで続くのか分かりませんが、熱中症や熱射病に気を付けてほしいと思います。
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