FC2ブログ

「ハゲタカ」第1話

テレビ朝日の「木曜ドラマ」枠の新ドラマ「ハゲタカ」の第1話を見ました。初回は15分拡大版で放送されていました。

ドラマの原作は、真山仁さんの経済小説『ハゲタカ』です。私はその小説を未読なのですが、2007年にNHKの「土曜ドラマ」で放送されていたドラマ「ハゲタカ」(2009年には映画化もされました)をとても好きで見ていました。柴田恭兵さんや大森南朋さんや栗山千明さんや松田龍平さんが出演していたドラマそのものの作風も良かったのですが、ライブドアの社長だった堀江貴文さんや村上ファンドの村上世彰さん(報道によると、先日の出光興産と昭和シェル石油の経営統合も村上さんの仲介で成立したのだそうです)が話題になっていた頃で、企業買収とか、株式上場とか、株主総会とか、インサイダー取引とか、ホワイトナイトとか、私にはこの「ハゲタカ」のドラマを見て日本の経済の話が分かるようになったところも多くあったように思います。とても良い社会派経済ドラマでした。

そのため、その約11年前に見たドラマ「ハゲタカ」が今度はテレビ朝日でドラマ化されると知り、どうしてだろうと思うと同時に、今度はどのようなドラマになるのだろうと、見るのを楽しみにしていました。

ドラマは、鷲津政彦(綾野剛さん)が工場で働いている現代?からバブル崩壊後の1997年に遡っていました。大手銀行の三葉銀行は、回収困難な不良債権を投資会社にまとめ売りをするというバルクセールを日本で初めて行うことになり、資産流動化開発室の室長の芝野健夫(渡部篤郎さん)は、そのバルクセールの話し合いの席で初めて外資系投資ファンド「ホライズンジャパン・パートナーズ」の代表の鷲津さんと会いました。ホライズンには外国人の社員の他に、日系アメリカ人のアラン・フジタ(池内博之さん)や佐伯宗徳(杉本哲太さん)、中延五朗(光石研さん)がいました。

三葉銀行の行員たちは、外資ファンドの代表が若い日本人ということに驚きながらも、鷲津さんの丁寧な応対に安堵していたのですが、丁寧な査定をさせていただくと言っていた鷲津さんたちが次のバルクセールの話し合いの席で芝野さんたちに告げたのは、最低でも300億円で買い取ってほしいと銀行側が考えていた簿価総額の723億円が65億円になるというものでした。鷲津さんたちは、不良債権を出した企業を自分たちで直接調査し、1円の価値しかないと判断していました。

外資ファンドの“ハゲタカ”に激怒する三葉銀行の常務取締役の飯島亮介(小林薫さん)は、芝野さんに、三葉銀行のためなら汚いことをしてもいい、三葉銀行のことだけを考えて働けと命じました。飯島さんは、不良債権をどこのファンドに売るかは複数の投資会社の入札額によって決めるとしていたのですが、締め切り時間ギリギリに飛び込んできたホライズンが最大の入札額を提示していました。しかし、2位のファンドとの入札額との差は僅かなものでした。手段を選ばないという鷲津さんは、芝野さんの同僚の沼田透(藤本隆宏さん)が認知症の母親の看病をしているということを知り、沼田さんに他社の入札情報を流してもらうスパイの役を頼んでいたようでした。沼田さんは、芝野さんとは異なり、すでに三葉銀行を見限っていたようでした。

一方、日光の老舗ホテル「日光みやびホテル」の女将を祖母に持つ「東京クラウンセンチュリーホテル」でフロントマネージャーを務める松平貴子(沢尻エリカさん)は、鬼怒川の老舗料亭「金色庵」の社長の金田大作(六角精児さん)とロビーで言い合い争いになっていた鷲津さんと出会いました。鷲津さんは、三葉銀行に債権を勝手にホライズンに売られたことに納得がいかない金田社長に、あなたのような経営者が日本の良いところを壊して腐らせたのだと言い、ゴルフ場などを売って2週間以内に5億円を用意出来れば返すと約束しました。しかし、金田社長は約束を守ることができず、老舗料亭「金色庵」は売り飛ばされることになりました。

鷲津さんは、自分たちが介入すれば高度経済成長期やバブル期に人気のあった鬼怒川や日光のような観光地を再生させることができると考えていました。イヌワシの保全活動をしている山で貴子さんと再会した鷲津さんは、今の日本を壊して再生させるという決意を新たにしていました。

原作は真山仁さんの『ハゲタカ』と『ハゲタカII』だそうです。脚本は古家和尚さん、音楽は富貴晴美さん、監督は和泉聖治さんでした。主題歌はMr.Childrenの「SINGLES」という曲でした。

鷲津さんが貴子さんと二人でイヌワシを見に行くという最後の件が私には少し謎のように思えたのですが、その辺りで流れていたミスター・チルドレンの「SINGLES」の曲も、何というか、このドラマにはさわやか過ぎるような印象でした。

昔のNHKの「ハゲタカ」がとても良かったので、私はその「ハゲタカ」のことを思い出しながら今作のテレビ朝日のドラマ「ハゲタカ」の第1話を見ていた部分もあるのですが、少なくとも第1話を見た限りでは、今作の「ハゲタカ」は、NHKのドラマ「ハゲタカ」とは違う「ハゲタカ」のようでした。

NHKの「ハゲタカ」では、芝野さんは鷲津さんの元上司でした。「日本を買い叩く」鷲津さんの孤独感のようなものも少しずつ描かれていたように思うのですが、今回のドラマの鷲津さんは、最初から目的の明確な“ダークヒーロー”として描かれていくようでした。

妻と娘と3人で暮らしている芝野さんは、家庭を顧みない銀行員として描かれているのですが、家族(ストレスを抱える妻がキッチンドリンカーになっている)の問題などが盛り込まれると(まだ分かりませんが)経済ドラマの物語が少し散漫としてしまうような気もします。六角精児さんの演じる金田社長は初回のゲスト出演ということのようでしたが、毎回鷲津さんがダメな経営者を懲らしめる話になってしまってはいけないのではないかとも思えました。

第1話は1997年の話でしたが、少しずつ現代の話になっていくということなのでしょうか。現実には、与党の自民党がアメリカのカジノ業者と進めているという統合型リゾート(IR)整備法案(カジノ法案)が参議院の委員会で強行採決され、今日にも成立するということが報じられています。自民党が“一票の格差”を解消するためとして参議院の議員定数を6増やしたり得票数の低い人でも優先的に当選させたりする仕組みを作ったことについてなどをテレビの報道番組が報じる時もそうですが、最近よく聞く「与野党の攻防が続いています」とか「野党の激しい反発が予想されます」という言い方では、中立の立場であるように見せかけて与党の政策を応援しているのと同じことになると思います。賛成しているのならまだしも、その政策は少しおかしいのではないかと反対しているのなら、いかにおかしいかを法案が成立する前にちゃんと報じて、成立した後にもちゃんと報じ続けてほしいと思います。カジノ法案については、当初には怪しいお金のマネーロンダリング(資金洗浄)が強く懸念されていたように思うのですが、一昨日の報道によると、カジノ事業者が利用者にお金を貸し、その債権を他社(もしかしたら暴力団と関わりのある金融会社も入ってくるかもしれない)に譲渡することができるようになっているということでした。

今回のドラマで描かれていた、銀行が不良債権を外資系ファンドにまとめて売るというのも、そういうことなのかもしれないと思います。あるカジノ事業者からお金を借りた人がいつの間にか別の金融会社からお金を取り立てられるようになるということなのかもしれません。

参議院議員の6増に関しては、自民党の中では船田元議員一人が採決を棄権したということですが(反対票を投じることはさすがにできないものなのでしょうか)、採決の後ぶら下がりのインタビューに応じていた小泉進次郎議員は、自民党の一人として党の方針に従って賛成票を投じたと笑いながら答えていました。本当に賛成していて賛成票を投じるのならまだ分かりますが、党が決めた方針だから、という理由で賛成票を投じたのなら、小泉進次郎さんのような国会議員は、有権者に国民の代表として選ばれた独立した議員ではなく、ただの組織人だと思います。“一票の格差”を無理矢理是正する(しかも県によって有権者数が異なるのを変えることはできないから完全に是正することはできない)ことよりも、3年ほど前に政府が作った、鳥取と島根、徳島と高知を「合同選挙区(合区)」とするというものをやめて、少なくとも各県から一人は国会議員が出るように戻したほうが良いと思います。国会議員がいる目的は、党の提案する法案を国会で通しやすくする数合わせのためではなく、その地域をよく知る人がその地域に住んでいる人たちの訴えを国政に届けることだったはずです。

今回のドラマでも描かれていましたが、自分たちの所属する組織の利益になるなら汚いことをしてもいいのだという発想を持つ人たちが、日本を汚しているのかもしれません。神戸製鋼や日産やスバルや日本郵船の日本貨物航空など、日本の大手の会社でデータの改ざん事件が相次いでいますが、日本銀行が国債や株を買い続けるという危険な策によって支えられているという現代の日本経済の話が、今作の「ハゲタカ」で描かれるようになるといいなと思います。

あと、これは他のどのテレビ局の連続ドラマの場合でもそうなのですが、「拡大版」で放送するのなら、それはせめて初回と最終回だけにしてほしいです。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム