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昨日の自民党総裁選と、新潮社の「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」

昨日には、与党・自民党の安倍晋三議員と石破茂議員とが立候補した総裁選の投開票が行われていました(最大与党の総裁選は、総理大臣を決めるものでもありますが、その選挙に参加できるのはその党の議員と党員だけです)。

NHKなどでの中継の様子を放送時間に見ることはできなかったのですが、昨夜のテレビ朝日の「報道ステーション」やTBSの「NEWS23」などの報道番組を見て、現総裁(現総理大臣)の3選という結果を知りました。

国会議員票410票と党員票410票の計810票(実際には807票?)で争われた自民党総裁選は、安倍議員が議員票・329票と地方票・224票の計553票を獲得し、石破議員が議員票・73票と党員票・181票の計254票を獲得したそうです。メディアでは現職の安倍総裁(安倍首相)の3選は確実だと予想されていたのですが、自民党員というわけではない一般市民の私は、そうは言っても投開票日までは分からないと思っていたので、その結果を単純に少し残念に思いました。でも、石破議員の国会議員票は想定されていたよりも約20多く、地方票(党員票)も想定より多かったそうです。安倍首相支持者の麻生太郎財務大臣は、選挙は内容ではなく結果が全てだというようなことを言っていましたが、安倍首相支持側からの圧力や脅しがあったという中、「正直・公平・公正」を掲げる、小さな派閥の?石破議員はやはり「善戦」したということなのだろうと思います。石破さんに国会議員の支持者が増えない理由は、何なのでしょうか。「本ばかり読んでいる」からでしょうか。一緒にお酒を飲んだり遊びに行ったりする“お友達”が増えれば支持者が増えることになるのでしょうか。でも、それも何か違うような気がします。

メディアが前回石破議員を支持した自民党の衆議院議員として注目していた小泉進次郎議員は、前回同様に石破議員に投票したそうなのですが、石破議員支持を記者たちに表明したのは投票の数十分前だったそうです。投開票後のぶら下がりの質問に、石破議員支持について「私の中では決まっていた」と答えた小泉進次郎議員は、もっと早く意思表明すれば良かったのではないかということを記者たちに訊かれて、「もっと早く表明したら私の望む形にならなかったと思う」と答えていました。もしも小泉進次郎議員が石破議員を新しい総裁にしたいと考えていたのなら、自分の発言が「票を動かす」ものとしてメディアで注目されていることを自覚している小泉進次郎議員は早くに意思を表明していたことだろうと思いますし、石破議員を支持していたとしながら石破議員への支持を集めるためにメディアを利用しなかったということは、安倍政権の政策を時々は批判していることもあった小泉進次郎議員は“自民党の多様性”を世間に示すための、石破議員支持派に見せかけた安倍議員支持派なのかもしれないと思います。政治家として与党内で生き残ることは大事なのかもしれませんが、そうだとしても、もっと早くに石破議員支持を表明していたなら(安倍議員支持ではないことを表明していたなら)、タレント性のある小泉進次郎議員は、勇敢な国会議員に見えたのではないかなと思いました。以前は私も小泉進次郎議員に頑張ってほしいと思えていたのですが、最近は小泉進次郎さんがどのような政治家になろうとしているのかがよく分からなく思えてきました。

自民党総裁選の報道に関しては(総裁選を控えた候補者たちの「討論」については、自民党の総裁選ということもあってか『日本国憲法』の改正を行うこと前提に話が進められていたことや、知事選を控える沖縄県の辺野古の米軍基地建設問題やロシア外交と北方領土問題の話題に触れていなかったことなどにも少し違和感はありましたが)、大手テレビ局などのメディアは、このような考えの人物、このような発言をする人物が次の総理大臣(最大与党の総裁)で本当に良いと思いますか、ということを、政治的に「中立」であろうとするあまりに?国民にちゃんと伝えようとしていないのではないかというような気もしました。自民党員の方々の投票が行われたという19日の夜の(「過保護のカホコ2018~ラブ&ドリーム~」の後の)テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト(WBC)」の、「今時の自民党員とは」、「自民党員の本音とは」という特集が、短いものだったのですが、何となく新鮮で面白かったです。取材に応じていた何人かの自民党員の方々は、石破さんのお年寄りが誇りを持てる社会にしたいという演説に感動したが安倍さんを支持していたほうが自分に有利になる感じがする、小泉進次郎さんは自分が票を動かせるという自惚れを持っているからあまり好きではない、自民党員は5人いれば5人違う意見を持っている、というようなことを話していました。あるいはこの特集も、(投票が終わった19日の夜ではなく)18日までに放送されていたなら、もっと良かったのかもしれません。

昨夜の「NEWS23」では、LGBT(性的少数者)の方々を子供を生まないから「生産性」がないなどとする内容の自民党の杉田水脈議員(前回の衆議院議員選挙で自民党の中国ブロックの比例代表の1番目だったそうです)の文章を掲載した新潮社の「新潮45」という雑誌の最新刊が杉田議員の発言を擁護するだけではなく、さらにLGBTと犯罪の「痴漢」とを同じものと見なして「痴漢」の触る権利を認めるべきという性犯罪を擁護する内容の謎の文章を掲載したということなどについて、新潮社の内部(新潮社出版部文芸)の良識的な方たちが明治時代に前身となる新声社を設立した新潮社の創業者の佐藤義亮さんの「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」という言葉を用いてSNSで批判し、それを岩波書店の岩波文庫編集部の方や河出書房新社の方が応援しているということが伝えられていました。「新潮45」の差別記事を批判している方々の中には、新潮社と関わりのある小説家や文学者の方も多くいるそうです。

昨年には、講談社の出版した中国人や韓国人を差別する内容の本について、講談社の社員の方がそのような本を出版する講談社の在り方を社内会報で批判したり、ジュンク堂書店の店長の方が批判したりするという報道もあったように思います。差別を扇動する本の作者に安倍首相の支持者が多いらしい(そればかりかどうかは分かりませんが)ということにも驚くのですが、それも今の安倍政権下の日本社会の一面を表す寂しい現実なのかもしれないと思います。特定の国の人を非難するような本が普通の書店に堂々と並べられているのは日本くらいだと聞いたことがあるのですが、それが本当なら、政府が“観光立国”にしようとしている日本の恥だと思います。野党(野党の第一党は立憲民主党だそうです)の力がまだ弱い中、昨日の与党の自民党の総裁選によって、公文書の破棄や改竄などの不正もある現政権の現職の総理大臣があと3年(平成時代の終わる時にもその後にも)総理大臣であり続けることに決まりましたが、もしかしたらこのような差別的な出来事もまだ続いていくのかなと(未来のことは分かりませんが)残念に思います。

それでも、私も本を読んで生きてきた一人として、人々の知性を豊かにする一端を担っているはずの出版業界の内部からある種の差別を助長するような本に対する疑問の声が上がったり批判が出たりしているという現実には、少しほっとします。紙の本が売れない時代だから出版業界の経営は厳しいというようなことも言われていますが、新潮社だけではなくどの出版社も「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」を貫いてほしいように思いました。
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Author:カンナ
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