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映画「ハクソー・リッジ」の後半と、「推しボン」

昨夜、映画「ハクソー・リッジ」を見ました。スカパー!で無料放送されていました。

2016年に公開された、メル・ギブソン監督のアメリカの映画です。

第二次世界大戦の頃のアメリカで良心的兵役拒否をし、衛生兵として従軍することになった敬虔なキリスト教のプロテスタント系の信者のデズモンド・ドスさんが、太平洋戦争の沖縄戦の戦場で、銃弾の飛び交う中、多くの傷ついたアメリカ兵の命を救ったという実話を基に描かれた映画です。デズモンド・ドスさんを演じていたのは、アンドリュー・ガーフィールドさんでした。

「ハクソー・リッジ」は、沖縄戦で日本軍が陣地としていた、浦添市の浦添城跡の南東にある「前田高地」のことだそうです。北側が急な崖になっているため、アメリカ軍はハクソー(Hacksaw、弓鋸)と呼んでいたのだそうです。

ただ、私が見たのは、映画の後半です。夜の10時半頃、この映画が放送されていることに気付いたのです。途中から見たので、もしも沖縄戦の映画だと知らずに映画の映像だけを見ていたなら、沖縄を舞台にした戦争の映画だとは全く気付かなかったかもしれません。そのくらい、映画の後半の場面には沖縄らしさのようなものは見えませんでした(アメリカ兵を狙う日本兵の集団と鳥居らしきものが見えるために、そこが日本の領地だということが分かる程度でした)。

映画によると、アメリカのヴァージニア州で生まれたデズモンド・ドスさんは、第一次世界大戦に従軍して精神を病んだ父親の家庭内暴力に苦しんでいたようで、母親に暴力を振るう父親に銃を向けたこともあったようなのですが、母親に必死に止められていました。

太平洋戦争に従軍することになったドスさんは、人を殺すことを避けるため、銃を持つことを頑なに拒否し、良心的兵役拒否が認められて衛生兵となり、沖縄の激戦地で「敵」の日本兵に次々と撃たれたり刺し殺されたりしていく「味方」のアメリカ兵の命を、神様、もう一人助けさせてください、もう一人助けさせてくださいと祈りながら救い出していました。映画では、崖の上から一人一人、アメリカ軍の陣地のある崖の下へロープで下ろしていました。

映画によると、ドスさんは、傷ついた日本兵も救おうとしていたようでした。また、洞窟の中で切腹をし、部下に介錯されて首を落としていた日本軍人が誰なのか、私には分かりませんでした。

沖縄戦では本当に多くの軍人や民間人が殺されたということなので、人間が肉片となって飛び散る血飛沫の描写も、リアルではないとは言えないように思えました。実際の戦争の現場は、映画よりももっと恐ろしいものだったのだろうと思います。

私はこの映画の後半しか見ることができていないのですが、私には、映画「ハクソー・リッジ」は、戦争と信仰の映画だったように思えました。アメリカ軍の兵士たちから「痩せっぽちの臆病者」とバカにされていたドスさんは、キリスト教の神への信仰心によって、あのような激戦地で勇気のある人道的な行動を取ることができたようでした。

史実として、沖縄戦、あるいは太平洋戦争は、アメリカ軍の勝利で終わっているので、この映画の戦争(沖縄戦)の場面は、アメリカ兵による日本兵への容赦のない反撃で終わりました。艦砲射撃もありました。反撃の最中、ドスさんも腕などを撃たれて負傷するのですが、落とした聖書を拾ってもらって安心したようなドスさんがタンカーで崖の下に運ばれる時の描写は、ドスさんが天に召されるかのような描写でした。

でも、大怪我を負っていたドスさんの命は助かったようでした。グアムやフィリピンでも救護活動をしていたという衛生兵のドスさんは、戦後、沖縄で仲間の兵士たちを救った功績により、良心的兵役拒否者としては史上初めて、アメリカ軍人の最高位の名誉勲章を授与されたのだそうです。そして、2006年に87歳で亡くなるまで、妻と仲良く暮らしながら、敬虔なクリスチャンとして生きていたそうです。映画の最後には、ドスさんやドスさんを知る元軍人の方々に取材をした時のドキュメンタリーの映像もありました。私はこの方のことを知らなかったのですが、デズモンド・ドスさんのような武器を持たない兵士の方が激戦地で多くの兵士たちを救ったというのは、本当にすごいことだと思います。

日本では、このような映画は作られないだろうなとも思いました。戦争の映画でしたが、信仰の映画であり、人の命を奪う映画ではなく、人の命を救うことの大切さを描いた映画だったように思います。戦死した兵士こそ英雄だというような言葉もあったので、必ずしも反戦の映画というわけではなかったのかもしれないとも思うのですが、人を殺さずに救うということの尊さが伝わってきました。映画の音楽も良かったように思います。


ところで、昨夜には、NHKのBSプレミアムで「推しボン!~あなたに効く!著名人の極上ブックガイド~」という、本を好きな俳優の東出昌大さんと「千夜千冊」の松岡正剛さんが、正剛さんの本棚が再現されたような部屋で、小説家の朝井リョウさんや漫画家のヤマザキマリさんやサバイバル登山家の服部文祥さんの好きな本や影響を受けた本について話し合うという本の番組が放送されていました。面白かったです。本棚の本(写真集)も最近よく見かけますが、私も好きな本に囲まれた暮らしがしたいなと改めて思いました。

番組では、松岡正剛さんに「悩み」を解決できるようなお勧めの本を紹介してもらっていたのですが、最後には、東出さんが、戦争を考えることのできる本について尋ねていました。正剛さんの紹介していた本は、フランスの社会学者・哲学者のロジェ・カイヨワさんの『戦争論 われわれの内にひそむ女神ベローナ』という本でした。ユネスコ国際平和文学賞を受賞した本なのだそうです。私は未読なのですが、松岡正剛さんはすごい本を紹介するなと思うと同時に、東出さんが戦争を考える本について尋ねたというのも、何か良かったです。
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Author:カンナ
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