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「his~恋するつもりなんてなかった~」最終回

tvk(テレビ神奈川)で放送されているメ~テレ(名古屋テレビ)制作のドラマ「his ~恋するつもりなんてなかった~」の第5話(最終話)を見ました。

熊切千歌(志田彩良さん)は、日比野渚(倉悠貴さん)が好きなのは井川迅(草川直弥さん)だと気付きました。変なことなんかじゃない、俺にとってはそれが当たり前だから、と迅さんに会うために江の島の割烹旅館を飛び出して自転車を走らせる渚さんを、千歌さんは、待って、どうして、と叫びながら慌てて自転車で追いかけたのですが、交差点で車にぶつかりそうになり、自転車ごと倒れてしまいました。その時千歌さんは、大丈夫?、と通りかかった高校の先輩の飛島松子(川添野愛さん)に声をかけられました。

千歌さんの実家のサーフショップを訪ねた渚さんは、母親の梓(河井青葉さん)から、お父さんが帰って来たからさっきマンションに戻ったと教えられると、お店を飛び出して迅さんの父親のマンションへ向かいました。その様子を見ていた梓さんは、もしかしてあの子、と何かを考えていました。

その頃、千歌さんはカフェで松子さんと話していました。三つ年下で、時々寂しそうな目で海を見つめていたと、渚さんのことを話し始めた松子さんは、付き合っていくうちにクールというよりも冷たくなっていった、他に好きな人ができたのかと思ったが大当たりだったと言いました。渚さんは誰が好きだったんですか、と千歌さんが訊くと、松子さんは、名前は知らないけれど渚は私との話し合いの場にそいつを連れて来た、それって俺はこの子が好きだって言っているのと同じでしょう、頭に来たけれど別れることにした、他に好きな人ができたというのが諦めるには一番納得できる理由だから、と静かに答えました。

夕方、渚さんが迅さんを呼び出そうと、マンションの玄関先で部屋の番号を押そうとしていた頃、迅さんは、帰って来たカメラマンの父親の司(斎藤陽一郎さん)とリビングで夕飯を食べていました。明後日何時に名古屋に帰るかを決めたのかと父親に訊かれ、遅くならないように変えるつもりだと答えた迅さんは、せっかく来てもらったの親子の時間があまり取れなくて悪かったなと言う父親に、これくらいで十分だと笑い、でもこっちに来て良かったと言いました。

夏休みにまた来いよ、でも受験生だからそんな暇はないかと言う父親に、迅さんは、東京の大学を受験しようと思うと切り出し、帰ったらお母さんに話してみると伝えていました。

一方、迅さんの気持ちに気付いた平原亜子(栗林藍希さん)は、迅さんのマンションの玄関前に佇んでいる渚さんを見かけ、咄嗟に身を隠しながら、構えたカメラのシャッターを切りました。

帰宅した千歌さんは、リビングのテーブルで何かを書いていた母親から、渚さんの風邪のことを訊かれて、大したことなかったと答えました。今まで渚君のところにいたのかと訊かれると、高校の先輩と会ってちょっと話したと答えました。お風呂に入った千歌さんは、渚さんに言われた言葉を思い出して、涙を流していました。しばらくして、お風呂から上がった千歌さんは、テーブルの上に封筒を見つけました。封筒には「千歌へ、ママより」と書かれていました。

その頃、渚さんは、“秘密の場所”の屋上で、夕闇の海を見つめていました。

翌日、千歌さんは、亜子さんと一緒に、母親から渡された手紙の内容を実践していました。母親の手紙に書かれていたのは「失恋から立ち直る方法」でした。

一番高い骨付き肉を注文する、本能のままその骨付き肉をむさぼる、残った骨を箱に入れて持ち帰る、箱を土の中に埋める、こうすればあなたを振った相手は死んだも同然、すぐに記憶から消えます、という亜子さんの朗読する手紙の内容も、それを実行する千歌さんも面白く思えたのですが、土を掘って「箱」を埋めようとしていた時公園の清掃員から穴を掘って埋めてはいけないと注意されて「ごみ」として持って行かれるというところも、何だか面白かったです。亜子さんはこの方が忘れられるかもと言い、千歌さんも納得していました。くそったれー!と穴に向かって叫んだ千歌さんが、その穴を埋め戻していたところも良かったです。

渚君の好きな相手って迅君ですか、と千歌さんに訊いて驚かれ、何となくそうかなってと言った亜子さんは、迅君も渚君のことを好きです、と千歌さんに話しました。千歌さんは、そんなことってある?と驚きました。うちらは同じ悲劇に見舞われているのかと言う千歌さんに、亜子さんは、悲劇なのか喜劇なのかと返すと、このままだと渚君も迅君も気持ちを伝えられないまま別れることになりますよ、と切り出しました。ほっとけばいい、何で振られたうちらが心配しなきゃいけないの、と不平を言っていた千歌さんでしたが、協力することにしたようでした。

亜子さんは、海でサーフィンをしている迅さんに会いに行きました。その頃、割烹旅館のアルバイトで渚さんは、窓ガラスを息を吹きかけながら磨いていました。店主の横溝さん(永岡佑さん)は、渚さんに、昨日迅君と会えたかと声をかけました。渚さんが、はい、と答えると、横溝さんは、迅君は夏休みにまたこっちに来るかなと言いました。そこへ、横溝さんの息子(松浦理仁さん)が、お客さんだと渚さんに伝えに来ました。リコーダーの音が良いです。また帰っちゃうかも、と言われた渚さんが急いで玄関に向かうと、待っていたのは千歌さんでした。

千歌さんだと分かった時の渚さんの様子に、そんながっかりしないでよ、と苦笑していた千歌さんは、それから海沿いを歩きながら、渚さんと話していました。渚さんは、思春期になると異性への関心が高くなると保健体育の授業で言われたけれど、俺の場合は同性にしか惹かれなくて、だから自分は普通じゃないんだって相当悩んだ、男は女を、女は男を好きになるのが当たり前という環境にいたから相談できる相手なんかいなかったと言い、でも高校で気の合う友達ができて、こいつなら受け入れてもらえるかもと思えるほど仲が良くて、その人に思い切って告白したら、その気はないごめんと言われて、しばらくしたら噂が学校中に宏買っていて、親がビビッて俺だけこっちに越してきたってわけ、と千歌さんに打ち明けました。

そうだったんだ、と渚さんの話に耳を傾ける千歌さんに、渚さんは、そいつ自体は全然男が好きとかじゃないのに噂されて相当ショックだったと思う、男の人を好きになっても受け入れてもらえない、だったら女の人と付き合えば自分も女の人を好きになれるかもしれないと思ってそれで女の人と付き合ってみたけれど何か違った、自分は男の人が好きなのだと気付かされただけだった、と言いました。

千歌さんは、そんなに迅君のことを思っているなら伝えればいいと渚さんに言ったのですが、あの時みたいに迅を傷つけたくはないと渚さんが答えるのを聞いて、傷つくか傷つかないかを決めるのは迅君だ、誰かを好きになったら傷ついたり傷つけられたりするのは当たり前だと苛立ちながら、迅君に好きって言って、そうでなければ私も松子先輩も浮かばれないと強い口調で言いました。渚さんは、千歌さんが鼻血を出していることに気付き、ハンカチを差し出しました。ありがとうと言う千歌さんに、こっちこそありがとうと言いました。

その頃、カフェでは、亜子さんが迅さんに、迅さんのマンションの玄関前にいた渚さんの写真を見せていました。迅君は渚君のことどう思っているの、好きなのと訊かれると、迅さんは、好きなのかどうか分からない、でも僕も渚に会いたいって思うことがあると答えました。それを聞いた亜子さんは、それ「好き」ってことだよ、「好き」より「会いたい」のほうが何か本当の気がするよ、と言いました。少し考えた迅さんは、じゃあ僕初めて人を好きになったのかも、と亜子さんに言いました。何それと呟いた亜子さんは、渚君に気持ち伝えてみたらと提案したのですが、迅さんは、首を小さく横に振り、渚を困らせたくないし、それに何て言っていいか分からない、と俯きました。

その夜、迅さんは、デジタルカメラに収められた渚さんの写真を見ながら、渚、とその名前を呼びました。そして、そのデジタルカメラの中の渚さんの写真を全て消去しました。同じ頃、渚さんは自分の部屋で、迅、とその名前を呟いていました。

翌日、千歌さんと亜子さんは、海沿いを歩きながら、迅さんと渚さんについて話していました。迅君から告白することはないと思いますという亜子さんの報告に、千歌さんは、何で男ってこんなに憶病なわけ、と怒っていたのですが、その時亜子さんは、海を見つめながら浜に立っている迅さんの姿を見つけました。迅さんはリュックサックを背負っていました。そして、亜子さんと千歌さんは、迅さんの名前を呼びながら駆け寄る渚さんに気付き、急いで隠れました。

渚さんは、渚さんの声に振り返った迅さんに、俺、初めて会った時から迅のこと気になってた、と思いを伝えました。それを聞いた迅さんは、僕は逆、日が経てば経つほど渚のことが気になって、と言いました。そして、もし迷惑じゃなかったらこれからも迅のことを好きでいたい、と告白する渚さんに、僕も渚のこと好きでいたいと告白し、渚さんを抱きしめました。渚さんは迅さんを抱きしめました。思い合っていた二人の絆を強めるように、波の音が響いていました。

脚本はアサダアツシさん、音楽は渡邊崇さん、監督は今泉力哉さんでした。主題歌のガラパゴスの「黒い酸素」という曲は、最終回では流れていなかったような気がします。

最終回の第5話は、このような物語でした。

千歌さんと亜子さんが海沿いを歩いていた辺りでエンドクレジットが流れてきて、まさかそこで物語の終わりが近づくとは思っていなかったので、一体このドラマの物語はどのような結末を迎えるのだろうと不思議な緊張感と共に気になり始めていたのですが、最後には、渚さんが迅さんに告白し、両思いになるという展開が待っていました。

名古屋へ帰る迅さんが江ノ島を離れるところまで描かれるのではないかという風に、私は勝手に思っていたので、浜辺で抱き合う二人の場面でドラマ本編がぱっと終わった時、ここで終わりなのかと、何か少し物足りないような気持ちになりました。

このドラマが今から13年前の2006年の3月の物語であるという点も、ドラマを最後まで見ていけばその理由が分かるのかもしれないと思っていたのですが、最終話となる第5話の中ではそれは分かりませんでした。あと5分あったならもっと良かったのではないか、あるいはあと一話あったなら良かったのではないかというような気持ちにもなったのですが、本編の後の「予告」を見て、なるほどと思いました。

そこには「あれから13年…迅と渚の物語が再び始まる 『his』 2020年映画化決定」と書かれていました。「his」は映画化するのかと驚きつつ、13年前の物語として描かれていた理由は「映画」の中で明らかになるということなのかと、何となく納得できるような気もしました。

最終回の最後の、渚さんと迅さんの二人の「恋」が叶う場面に、ほっとしました。抱きしめたのが、渚さんからではなく、迅さんからだったというところも、良かったのだと思います。誰を好きなのか、何が好きなのかということがはっきりと描かれてこなかった“受け身”の迅さんの気持ちが、渚さんを好きになったことを自覚して、一歩前に進んだような印象でもありました。

千歌さんと亜子さんが、渚さんと迅さんの背中を押す感じも、良かったです。

最終回には千歌さんの父親の雄作(田中要次さん)は登場していなかったように思うのですが、娘に失恋から立ち直る方法を記した手紙を書いていた母親の梓さんも、割烹旅館の横溝さんも、もしかしたら、渚さんの「恋」に気付いていたのかもしれないなと思いました。

みんなが迅さんと渚さんを見守っているという感じが、最後まで温かいドラマでした。

春休みの迅さんが受験生ということは、今は高校2年生ということなのかなと思うのですが、その後、名古屋へ帰ったであろう迅さんは、高校最後の夏休みに、また江ノ島へ遊びに来たのでしょうか。

草川直弥さんの演じる迅さんと、倉悠貴さんの演じる渚さんの、繊細でぎこちない雰囲気もとても良かったですし、志田彩良さんの演じる千歌さんと、栗林藍希さんの演じる亜子さんもとても良かったです。このドラマの迅さんと渚さんに関しては、演じる俳優さんが草川直弥さんと倉悠貴さんでなかったなら、当然のことかもしれませんが、違う印象のドラマになっていたのだろうと思います。

登場人物を丁寧に演じる俳優さんたちも、登場人物たちの距離感も、誰も傷つけない優しい脚本と演出も、効果的な音楽も、きれいな映像も、良かったです。

渚さんの告白していた「初めて会った時」は、カメラを持って海岸沿いにいた迅さんに自分のサーフボードを預けた時のことでしょうか。もしも渚さんが、その時に一目惚れした少年(迅さん)にサーフボードを預けていたのだとしたら、渚さんは本当に行動的な人だと思います。

このドラマの物語は、ピュアラブストーリーといえば、確かにピュアラブストーリーでした。タイトルにある「恋するつもりなんてなかった」は、迅さんや渚さんの思いだけではなく、「恋」をした人みんなの思いを表す言葉だったのかもしれません。主人公の迅さんと渚さんのことを考えると、このドラマは、偶然出会ってお互い気になる存在になっていった二人の「友情」がはっきりと「恋」に変わっていくまで、二人の「恋」が始まるまでの物語だったように思います。

「会いたい」は「好き」よりも本当の気がする、という亜子さんの言葉も良かったです。最終回では、迅さんと渚さんの感情と、迅さんと渚さんを応援することにした千歌さんと亜子さんの感情が、バランス良く描かれていたように思います。松子先輩の話や母親の梓さんの手紙の場面も、効果的でした。

来年に公開予定という映画では、完全新作の物語としてドラマの続きを描くのでしょうか。それとも、ドラマの部分も半分ほど盛り込みながら、残りの半分ほどを続きの新作の13年後の物語として描くのでしょうか。13年後の世界では、今高校生の迅さんと渚さんは、30歳くらいになっているということになります。その世界では、二人は大学を卒業して、“普通の社会人”になっているのかもしれません。例えばテレビ朝日のドラマ「おっさんずラブ」やテレビ東京のドラマ「きのう何食べた?」はとても良かったのですが、“大人”になった迅さんと渚さんの物語を見るのは、このドラマを見終わったばかりの今はまだ少し怖いような気もします。

でも、とにかく、上手く伝えることができないのですが、「his~恋するつもりなんてなかった~」は、とてもすてきな青春物語、優しい江ノ島恋物語でした。「LGBT」を題材に扱ったドラマということで、同性愛(同性を好きになること)への偏見のようなものをなくそうとしている意識も、よく伝わってきたような気がします。このように考えるのはもしかしたら間違っているのかもしれませんが、何というか、迅さんと渚さんを演じていた二人の俳優さんの今の美しさを閉じ込めたようなドラマでもあるような気がしました。同性とか異性とかに関係なく、人を好きになることの輝きが描かれていたような気がします。私は「dTVチャンネル」の会員ではないので、もしもテレビ神奈川で放送されることがなかったなら、このメ~テレ制作のドラマを知ることはなかったと思います。偶然第1話を見ることができて、最終回まで無事に見終えることができて、本当に良かったです。ありがとうございました。
プロフィール

Author:カンナ
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