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74年目の終戦の日

今日は、昭和天皇の玉音放送が流れた1945年(昭和20年)の8月15日から74年の日です。

第二次世界大戦の太平洋戦争の終戦の日(終戦記念日)と呼ばれていますが、敗戦の日とも呼ばれています。本当の終戦の日は、サンフランシスコ講和条約の締結された(1951年の)9月8日なのではないかなとも思います。8月15日以降も各地で民間の日本人や日本兵が“戦死”していたことを思うと、玉音放送の流れた8月15日は、日本の組織的な戦闘が終わった日、ということなのかもしれません。

戦争関連の話の中で、時々、今の平和は戦争で亡くなった大勢の人々の尊い犠牲の上に成り立っている、という趣旨の言葉を聞くことがありますが、明治時代以降の為政者や軍人たちが「お国のために」という皇国思想・軍国思想教育の管理統制を通して大勢の国民に国家の犠牲となることを強いたということも、日本が戦争を繰り返さないために、忘れてはいけないように思います。

74年前の戦争に関するドキュメンタリー番組を私はいくつか録画していて、見ることができたものもあれば、まだ見ることができていないものもあるのですが、例えば、先日のBSフジで放送されていた「終戦74年特別番組『落語家たちの戦争 ~禁じられた噺と“国策落語”の謎~』」も、とても良い番組でした(このように言ってはいけないのかもしれないのですが、BSフジで放送されるドキュメンタリー番組とは思えないほどでした)。

全ての文化、芸術、娯楽、芸能が国家による「検閲」の対象となった戦争へ突入していく時代に禁止・自粛された「禁演落語」や政府や軍部の意向を受けた落語家たちの“忖度”によって新しく作られた「国策落語」の歴史と、祖父の七代目林家正蔵さんと父親の初代林家三平さんの戦争の歴史を、専門家の方たちの解説を聞きながら、映画「サクラ花 -桜花最期の特攻-」に出演したという、二代目林家三平さんが辿っていました。

落語家の立川談之助さんが番組のナビゲーターのようでもありました。こまつ座の舞台「円生と志ん生」で古今亭志ん朝志ん生さんを演じているラサール石井さんも「表現の自由」について話していたのですが、番組にも出演していた柏木新さんの著書『はなし家たちの戦争―禁演落語と国策落語』を基にしたドキュメンタリー番組のようでした。

陸軍将校による昭和11年のクーデター事件「二・二六事件」について記者団に発表したという、当時の陸軍省新聞班の松井眞二少佐や清水盛明大佐という人物のことを私は知らなかったのですが、このような軍人たちが“戦争賛美”や“愛国”の啓蒙活動を行い、世の中の“空気”を戦争の方向へ変えていったのだそうです。新しい法律による見せしめ逮捕で、人々は委縮し、軍国化が進んだそうです。昭和12年に中国との全面戦争が始まると、日本の当時の近衛文麿総理大臣は、国民精神結集のため、“戦争に反対する人は国賊”、戦争協力は国民として当たり前だという“空気”を作り上げていったということでした。

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の中島岳志さんや近代史研究者の辻田真佐憲さんによる過去と現在の「プロパガンダ」の解説もあったのですが、陸軍の新聞班の清水大佐の「(国民を)楽しみの中で啓蒙教化していく」ということは、今の「ナチスに学べ」の安倍自民党政権も行っていることであるように思えました。安倍内閣の政治家たちが吉本興業のお笑いの舞台に出るということと、何か重なるように思えました。政権の政策を国民に宣伝する「プロパガンダ」は、一般の人々の気持ちを高揚させるために行われるものなので、映画や音楽などのエンターテインメントの中に政府の宣伝を混ぜてくるのだそうです。

六代目一龍齋貞山さんと八代目桂文楽さんと六代目春風亭柳橋さんの「愛国演芸同盟」や、成田山新勝寺の『成田山 国民精神総動員集』という本にも驚いたのですが、当時の日本では様々な場所で「国民精神総動員」のための国策運動が行われていたようでした。その中の「“国家的な温かい心”をもって一部国民の不合理や不利益や摩擦を除去・認識していかねばならない」という言葉は、「お国のために」という温かい心で戦争賛美や軍人賛美をしていかねばならない、という意味なのだそうです。

番組の最後、生前の桂歌丸さんの、次に笑いを抑圧する時代が来たら芸人たちは反発するだろう、という言葉が紹介されていたのですが、私はその言葉を聞いて、そうだろうか、もしも今そのような時代になった時に今の芸人さんたちやメディアに、あるいは大多数の日本人に本当にそれができるのだろうかと少し疑問に思いました。でも、そうできるといいなと思います。

先週のTBSの「報道特集」は、漫画家の松本零士さんと、元総理大臣の福田康夫さんと、台湾の元日本兵の方が語る戦争という特集だったのですが、その中でアメリカのように公文書を残すことの大切さを語っていた福田元首相は、戦争では極限の制限状況の中で人間らしさが失われていくということも話していました。

TBSの「JNNドキュメンタリー ザ・ フォーカス」の「タミばあちゃんの終活~いのちと向き合った1年~」や、日本テレビの「NNNドキュメント」の「海は・・・知っている。キャンパスはかつて特攻隊基地でした」(滑走路が沈んでいる香川県三豊の詫間という町の琴平心水隊という海軍航空隊の特攻の歴史を伝える特集)も良かったです。

NHKの「NHKスペシャル」の「激闘ガダルカナル 悲劇の指揮官」を見て、日本軍(大本営)は日本国民の命を守らないということを改めて思ったのですが、一木支隊の長の一木清直大佐の娘さんが靖国神社ではなく千鳥ヶ淵の戦没者墓苑をお参りして献花していた姿も印象的でした。ガダルカナル島の戦いの失敗が、陸軍と海軍の決裂につながり、戦時下の日本国民のさらなる死につながっていったそうです。

「戦没者は二度死ぬ~遺骨と戦争」も、とても良い特集でした。アメリカ兵の遺骨をきちんと調べて遺族のもとへ帰そうとしているアメリカの国防総省のDAPPという団体は、日本政府に対し、収集した戦没者の遺骨を現地で焼かないよう何年も前から何度も要請していたそうなのですが、日本政府(厚生労働省)は今年になってようやくそれを「検討する」としたそうです。テニアン島に暮らしていた当時の民間の日本人の方々の集団自決の話も、衝撃的でした。歯が見つからなければDNA鑑定しないとしていたという日本政府は、国家として責任をもって戦争で亡くなった方々の遺骨を調べる気がないのかもしれないとも思いました。日本政府には、自衛隊の宇宙部隊創設?や、イージス・アショアの国内設置、ホルムズ海峡への派遣、核武装など、やめてほしいと思います。

元号が令和に変わってから初となる全国戦没者追悼式を、私はNHKの中継で少し見たのですが(大島衆議院議長と山東参議院議長とご遺族の方の言葉は、総合テレビではカットされていました)、新しい天皇皇后両陛下(前の皇太子ご夫妻)が臨席なさっているのを見て、少しほっとしました。でも、何か全体の規模が小さくなっているようにも見えました。全国戦没者追悼式は国(政府)の主催ですが、沖縄の沖縄全戦没者追悼式は県の主催で、原爆の被害を受けた広島や長崎での平和式典は市の主催ということなので、今さらではあるのですが、沖縄と広島と長崎の平和式典はどうして国の主催ではないのかなと、少し不思議に思いました。
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