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「若冲ミラクルワールド」第2回

NHKのBSプレミアムの「若冲ミラクルワールド」の第2回「命のクリエイター 超細密画の謎」を見ました。昨日も放送時間に見ることができました。

第2回は、前半は『動植綵絵』の「群鶏図」や「棕櫚雄鶏図」や「芙蓉双鶏図」や「南天雄鶏図」など、主に鶏の絵師としての若冲の話をしていて、後半は「群魚図」や「貝甲図」や「薔薇小禽図」や「菊花流水図」などを見ながら、ユーモラスで仏教への厚い信仰心のある若冲の話をしていました。今回も良かったです。

13羽の鶏が描かれている「群鶏図」には確かに遠近感がないのですが、手前の鶏から一番奥の鶏までは本当は数メートルあるのだそうです。番組では同じ大きさの鶏のパネルを一定の幅ごとに後ろに並べるとカメラにはどう写るかの実験していて、35mmのレンズで写すと一番遠くの奥のパネルが小さくなったのですが、200mmの望遠レンズを使って写すとほとんど同じ大きさに写っていて、驚きました。映画などではこの手法が使われているのだそうですが、若冲もこの手法で描いていたのでしょうか。

写真家の岩合光昭さんが観賞用の鶏を育てている方の家を訪れて、若冲が好きだった鶏の姿を撮影していたのですが、岩合さんは鶏を撮影するの初めてだったそうで、素早い動きの鶏を最初はなかなか若冲の絵のように写すことができなかったそうです。でも、少しして鶏に近づいて撮影すると、若冲の絵のような鶏の鮮やかな姿を写すことができていました。近づいて見れば見るほど、鶏はミステリアスで惹き込まれるそうです。私は小学校の頃に鶏の世話をしていたことがありますが、鶏を特にミステリアスな存在だと思ったことはなかったので、面白いなと思いました。もしかすると、今もう一度よく鶏を観察したなら、私にもそう思うことができるかもしれません。

「棕櫚雄鶏図」についても鶏を育てている方に話を聞いていたのですが、首の羽が広がっている白い鶏のほうが先に威嚇していて、今にも飛び掛る状態なのだそうです。

鶏を育てている別の方が、昔「芙蓉双鶏図」のように頭を足の間から出すという不思議な姿勢の鶏を見たことがあるそうで、昔の鶏は放し飼いにされていて今よりずっと自由だったからのびのびといろいろなことをして遊んでいたのだろうというようなことを話していたのが面白かったです。東京藝術大学の美術解剖学の布施英利さんによると、鶏の骨格上は問題のない姿勢だそうです。若冲もきっと実際に見たのだろうと思います。

「貝甲図」の中には海の深いところに生息しているアッキガイやリンボウガイという貝もあるそうで、それは若冲の友人の木村蒹葭堂のコレクターを見せてもらったのではないかということでした。木村蒹葭堂の七段の重箱には、たくさんのきれいな貝殻が丁寧に収められていました。若冲の絵のアッキガイやリンボウガイも入っていたのですが、絵を見て思っていた大きさよりも小さい貝殻でした。

ナビゲーターの大野智さんがスタジオに放されていた本物の鶏を抱えて、「群鶏図」の鶏と見比べていたのが面白かったです。大野さんと日本美術史家の辻惟雄さんは、若冲の絵はユーモラスで面白い、多くの人に知ってほしいと話していました。「紅葉小禽図」の枝の丸くなっているところは、辻さんによると、縁起が良いということで描かれたものだそうです。

私は見に行くことができなかったのですが、数年前、足利義満の600年忌記念で、京都の相国寺の承天閣美術館では約120年ぶりに『釈迦三尊像』と『動植綵絵』を一緒に見ることができるという伊藤若冲の展覧会を開催していました。『動植綵絵』は、廃仏毀釈運動で相国寺の存続が危なくなったために、皇室に献上することになったものだそうで、元々は全33幅の作品ということでした。

辻さんは、『動植綵絵』は伝統的な花鳥画でもあるけれど、仏画としての花鳥画であり、曼荼羅だと話していました。番組では当時の相国寺に並べられていた様子をCGで再現していました。大野さんは、『動植綵絵』にむらがないのは、全てのものを仏として描いていたからなのですねと辻さんに話していました。若冲は禅の修行僧という意味で「若冲居士」と名前を書いていて、辻さんは「草木国土悉皆成仏」の言葉を挙げていました。若冲は全ての生物や無生物の自然な姿を仏として見て描いていたから、全ての部分に集中力を切らすことなく、ぶれることなく、細かく丁寧に描いたのだということがよく分かりました。絵を描くのが好きということ以上に、そのような気持ちで描いていたことが、『動植綵絵』を圧倒的なものにしているのだと思いました。
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Author:カンナ
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