「ブラックペアン」第9話

TBSの「日曜劇場」のドラマ「ブラックペアン」の第9話を見ました。

東城大学医学部付属病院の心臓血管外科医の佐伯清剛教授(内野聖陽さん)が倒れ、このままでは心筋梗塞の恐れがあると、左冠動脈と僧帽弁の手術が行われることになったのですが、唯一の頼みとされた天才的外科医の渡海征司郎(二宮和也さん)は佐伯教授の手術を拒否し、入院患者となった佐伯教授は、渡海さんにではなく、帝華大学病院の西崎啓介教授(市川猿之助さん)に見限られた外科医の高階権太(小泉孝太郎さん)を執刀医に指名し、国産の内視鏡外科手術支援ロボット・カエサルでの手術を希望しました。

カエサルのシミュレーターに蓄積されているデータは西崎教授の下にあって使うことができませんでした。黒崎誠一郎准教授(橋本さとしさん)を始め、佐伯教授を助けたい東城大の外科医たちは、手術支援ロボットを使った手術の国内外の症例を集めるなど、難しい手術の解決策を探し始めました。佐伯教授は、そのような部下たちの様子を病室で見たいからと、看護師長の藤原真琴(神野三鈴さん)に頼んで医局にビデオカメラを設置してもらいました。

教授選に影響力を持つ医療ジャーナル誌『日本外科ジャーナル』の編集長の池永英人(加藤浩次さん)に、佐伯教授を助けたいから帝華大のカエサルの論文を見せてほしいと直談判に行った研修医の世良雅志(竹内涼真さん)は、西崎教授の論文を見せてもらうことはできなかったのですが、ある海外の論文を教えてもらうことはできたようでした。それは穴を左右に2か所に開けるのではなく、左の1か所にだけ開けて、僧帽弁の手術と冠動脈の手術を続けて行うというものでした。

佐伯教授の容態が急変し、十分なシミュレーションができていないまま、佐伯教授の手術が始められることになりました。カエサルを使って手術を進めていた高階さんは、僧帽弁の手術を終えることはできたのですが、カエサルが入らないため冠動脈の手術を手術はできないと判断しました。高階さんが諦めかけていた時、世良さんが高階さんに渡海さんの計画を伝えました。

佐伯教授津の急変の知らせを聞いて手術室ではない場所へ向かった渡海さんは、医局のカエサルのシミュレーターを使い、遠隔操作で佐伯教授の手術を行おうと考えていました。遠隔操作が可能ということは、カエサルのマニュアルにも書かれていたことでした。状況を理解した佐伯教授は、遠隔操作のアクセスを許可し、イヤホンから聴こえてくる渡海さんの言葉をそのまま黒崎准教授たちに伝えて手術を進め、手術室看護師の猫田真里(趣里さん)が用意していた専用の吸盤で佐伯教授の心臓を手前に引き出してカエサルで佐伯式の手術を始めた渡海さんの手術を補佐しました。黒崎さんは、途中から、その手術が渡海さんによるものだと気付いていたようでした。

手術は無事に終わりました。西崎教授が高階さんとは別の部下に書かせていたカエサルについての論文が『日本外科ジャーナル』に掲載されると、それを見た西崎教授は喜んでいたのですが、その次のページには、高階さんが書いたカエサルの遠隔操作の可能性についての佐伯教授の論文が掲載されていました。部下に書かせた論文で出世をすることしか考えていない西崎教授を立派な医者だと思わなくなっていた池永編集長は、佐伯教授の手術後に高階さんから送られてきたメールに添付されていた論文と渡海さんがシミュレーターを使って遠隔手術をしている映像に医療の未来を感じ、佐伯教授を最終著者(責任者?)とした高階さんの論文を『日本外科ジャーナル』に掲載したのでした。

脚本は丑尾健太郎さんと神田優さん、演出は渡瀬暁彦さんでした。

「最終回前」となっていた第9話は、20分拡大版で放送されていました。

ペアンの影が映っている「飯沼達次」という人の古いレントゲン写真を見つけた世良さんたちに黒崎准教授が話していたことによると、黒崎さんはもともと佐伯教授の盟友だった渡海さんの父親の渡海一郎(辻萬長さん)の下で医療を学んでいた人でした。渡海さんの父親の一郎さんは、出世には興味のないタイプの優秀な外科医だったが、担当していた患者の飯沼達次さんが手術後に容態を悪化させ、その後飯沼さんの身体の中にペアンが残されたままになっていたことが発覚したことから、その責任を取って東城大病院を辞職したということでした。

佐伯教授が藤原看護師長に頼んでさくら病院から退院させていた飯沼さんは、今は東城大病院の特別室に入っています。藤原看護師長は、新人看護師の花房美和(葵わかなさん)にその担当を任せていました。

佐伯教授の手術が実際に始まるまでが少し長いようにも思えてしまったのですが、医局のシミュレーターを使って高階さんたちに指示を出しながら遠隔操作で手術を行う場面の、二宮さんの演じるTシャツ姿の渡海さんが、何となく、これまでの白衣姿の外科医の渡海さんよりも、ゲームが好きという二宮さんによく合っているような気がしました。

登場人物の顔を画面に大写しにするというような圧迫感のある演出が、最終回の一つ前の今回ではこれまで以上に強くなっていたような気もしたのですが、この演出を見ているとやはり「日曜劇場」の近年の、池井戸潤さんの小説を原作としたドラマを思い出します。

手術を拒否したり文句を言ったりしながらも最後には必ず天才的外科医の渡海先生は人命救助に現れるという“お約束”が踏襲される分かりやすい一話完結の医療ドラマとして、面白くないというわけでは決してないのですが、ただ、私には、すごく面白いかどうかがよく分からないままこのドラマを見ているという部分もあります。

ともかく、来週の放送が最終回ということですし、ドラマ「ブラックペアン」の最終回の物語も、楽しみにして見てみようと思います。

映画「ズートピア」

昨夜、日本テレビの「金曜ロードショー」枠で地上波初放送されていた、2016年公開のディズニーの3Dコンピュータアニメーション映画「ズートピア」を見ました。

世の中を良くしたいという希望を持ってウサギの中で初めて(小型動物の中で初めて)警察学校を卒業し、大都市・ズートピアのライオンのライオンハート市長とヒツジのベルウェザー副市長に祝福されて、にんじん畑の田舎町から草食動物と肉食動物が共存するズートピアに出て来た新米警察官のジュディ・ホップスが、署長の水牛のボゴの命令で14名の肉食動物失踪事件の捜査には参加させてもらえず、仕方なく駐車違反を取り締まる任務を遂行していた時、夢が叶うとは限らないと世の中を冷めた目で見ている地元のキツネの詐欺師のニック・ワイルドと出会い、脱税の証拠となる録音データでニックを脅して捜査に協力させて行方不明になったカワウソのオッタートン夫人の夫のエミットを捜す中、裏社会を仕切るネズミのミスター・ビッグに教えられて訪ねた元タクシー運転手のジャガーのマンチェスが突然野生化するという事態に遭遇し、マンチェスが話していた「夜の遠吠え」について調べを進めるうちに、ズートピアが隠していたある秘密を知り、相棒となったニックと二人でズートピアの平和な社会を守るために奔走する、というような話でした。

脚本はジャレド・ブッシュさんとフィル・ジョンストンさん、監督はバイロン・ハワードさんとリッチ・ムーアさん、共同監督はジャレド・ブッシュさん、音楽はマイケル・ジアッチーノさん、製作はクラーク・スペンサーさん、製作総指揮はジョン・ラセターさんという作品です。

私はこの映画のことを、公開当時に話題になっていたということ以外にはよく知らず、面白そうかなというくらいの気持ちで見始めた映画だったのですが、とても面白かったです。

動物を擬人化したアニメーション映画ということで、映画の公開当時に流れていた「ズートピア」の映像を見た時、私は、昔の東映アニメの「メイプルタウン物語」や、映画「ドラえもん のび太のアニマル惑星(プラネット)」のことを何となく思い出していたのですが、映画「ズートピア」の登場人物(登場動物)たちは、そのような作品の擬人化された動物たちとは異なり、どちらかというと手塚治虫の「ジャングル大帝」の動物たちに近いというか、その動物らしい特性を残して人間化されているという印象でした。

「メイプルタウン物語」や「のび太のアニマル惑星」や「鳥獣人物戯画」などの擬人化された動物たちは、現実の動物の身体の大きさとは関係なく、ほぼ同じ大きさで描かれていますが、「ズートピア」の動物たちは、動物の種類ごとにそれぞれの大きさで描かれていました。

「ズートピア(Zootopia)」は、「zoo(動物園)」と「utopia(理想郷)」を合わせた造語のようです。大都市のズートピアでは、かつては食べられる・食べるの関係にあった草食・肉食の動物たち(哺乳類ばかりだったように思います)がお互いを尊重し合って仲良く共存しているのですが、同じ街中に混ざって住んでいるというよりは、それぞれの動物の大きさや環境に合った地区ごとに分かれて住んでいるようでした。建物や列車のドアの大きさ、駅の出入り口も大きさによって分かれていました。でも、それは、その動物が暮らしやすいようにという配慮の下に設計されているという、バリアフリーの感じでした。差別ではなく区別、ということなのだと思います。

そのように進化した大都市ですが、動物たちの間には、まだ「種類」を気にした差別があり、ジュディがウサギ初(小型動物初)の警察官になったのも、小型草食動物のウサギは警察官にはなれないという、大型動物や肉食動物からの偏見があったためでした。また、ジュディの両親であるウサギ自身も、ウサギが警察官になるのは無理なのではないか、大都会に出るよりも田舎でにんじんを売る仕事をしていたほうが安全なのではないかと心配し、キツネ対策用の防犯グッズを娘のジュディに持たせていました。

この物語は、世界をより良いものにしていくために、自分の中にもある差別や偏見や思い込みや決めつけや古い常識を自覚し、乗り越えていく話だったのだと思います。

現実は厳しいので、みんなが仲良く暮らし、誰でも何にでもなれるという理想通りにはいかないかもしれないけれど、お互いをよく知って理解しようと努めれば、その理想に近付いていくことができる、まずは自分を見つめ、諦めずに自分を変えることから始めようというような内容の、最後のジュディの警察学校での演説の言葉に集約されていたように思います。

「生物学的に」とか「DNAの中に組み込まれている」などの何となくもっともらしく聞こえる説を持ち出して草食動物たちの間に肉食動物への猜疑心や恐怖心を植え付け、平和な社会を恐怖政治で分断しようと目論んでいた“巨悪”に、警察官として立ち向かっていったウサギのジュディとその相棒のキツネのニックがかっこよかったです。

「金曜ロードショー」の映画「ズートピア」の解説には、「友情と冒険」の物語だと書かれていて、確かに「友情と冒険」の話でもあるのですが、それ以上に、「ズートピア」の世界は、現実の人間の今の社会と未来の社会をよく表していたように思います。人間で描いたなら重くなってしまうかもしれない話を、ユーモアのある動物たちの絵とポップな音楽のエンターテインメント性で軽くしていたのだと思います。

ジュディやニックもそうだったように、多様性を認めて生きると言いながら、自分の中にも自覚的・無自覚的な差別や偏見の考えがあって、それが思わぬ時に出て、その不用意な言動で相手を傷つけてしまうということは、やはりあると思います。

ウサギはにんじんが好きとか、キツネはずる賢いとか、ヒツジは眠る時に自分の数を数えるのかとか、動物に対する人間の妙な思い込みも登場動物たちの姿に重ねて描かれていたように思いますが、これもあえてそのように描いたということなのかなと思います。(映画の中の肉食動物または元肉食動物たちは、アイスキャンディやケーキやドーナツなどのお菓子や野菜や果物を食べていたように見えたのですが、「肉」は食べていないということなのでしょうか。草食動物たちは、草食動物らしく?野菜や果物を食べていたのですが、肉食動物だった動物たちだけが「肉」を食べなくても済むように進化したということなのでしょうか。少し気になりました。)

キャラクターの絵もその動きもかわいらしかったですし、正義感の強い新米警察官と意外と優しい詐欺師が協力し合って謎の事件の真相を追う社会派ミステリーとしても、単純に楽しく見ることができたのですが、昨夜のこのアニメーション映画を見ながら、現代の民主主義国家アメリカのディズニー作品らしいよく練られた物語の映画だなと思うと同時に、作品を見る人に自己反省を促す自省の映画だなとも思いました。

ともかく、映画「ズートピア」には、動物を擬人化した映画というだけではない新鮮さがありました。私が見たのは日本テレビの「金曜ロードショー」の日本語吹き替え版ですが、見ることができて良かったです。もう一度見たなら、あるいは吹き替えではないもので見たなら、また違う発見があるのかもしれません。

「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-」最終回

フジテレビの「木曜劇場」のドラマ「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-」の第9話(最終話)を見ました。

警視庁の刑事部長の入間公平(高橋克典さん)の大学院生の娘の未蘭(岸井ゆきのさん)の昏睡状態と面会謝絶の状況は続いていました。投資家のモンテ・クリスト・真海(ディーン・フジオカさん)は、鎌倉の別荘を訪ねて来た富永水産の守尾信一朗(高杉真宙さん)に詰め寄られると、私は罰を受けるだろうと言い、どうしても復讐したい男たちがいると聞いて怒りが収まらない信一朗さんに、どうかあなただけはこの惨い世界に足を踏み入れないでくださいと伝えました。

入間家では、公平さんの二番目の妻の瑛理奈(山口紗弥加さん)が、自力で移動することも言葉を発することもできないベッドの上の義父の貞吉(伊武雅刀さん)を濡れタオルで窒息死させようとしていたのですが、そこへ帰宅した入間刑事部長が入ってきました。娘を殺そうとしている人物のことを考えていた入間さんは、父親の貞吉さんに目で合図をされると、二人で話したいからと瑛理奈さんを部屋から出し、貞吉さんが目で教えた部屋の隅にかかっていた額縁の中の、真海さんが置いていった五十音の会話ボードを使って、貞吉さんと話しました。入間さんが指した「えりな」に、貞吉さんは深く目を閉じました。

倉庫のような場所に監禁されていた建設会社・神楽エステートの社長の神楽清(新井浩文さん)は、部屋の上のほうに設置されたメトロノームの映像が突然切り替わった報道番組で、国有地売却の件で国会議員の木島義国(嶋田久作さん)と自分に闇献金疑惑がかけられていることを知りました。神楽さんは、何が起きているのか分からないまま、F&Dファイナンスの天野満(柳俊太郎さん)が連れて来た男たちから執拗に拷問を受けることになったのですが、その様子を部屋の上から真海さんが見つめていました。神楽さんへの拷問は、真海さんが孤島の牢獄で受けたものと似たようなものでした。

病院へ来たエデルヴァ(桜井ユキさん)は、俳優の南条幸男(大倉忠義さん)と妻のすみれ(山本美月さん)が消えたと真海さんに連絡しました。幸男さんはすみれさんを連れて車で真海さんの別荘へ行こうとしていたのですが、途中、自分が見殺しにした俳優のショーン・リーの娘のエデルヴァが一人娘の明日花(鎌田恵怜奈さん)と二人でいることを知ると、エデルヴァが何をするか分からないから帰れと、すみれさんを車から降ろして明日花さんのもとへ向かわせました。

エデルヴァさんは、明日花さんを心配して戻って来たすみれさんから、幸男さんから話は聞いたと言われ、家畜のように生きていた自分を救ってくれた真海さんから復讐を楽しもうと言われたということをすみれさんに話しました。元婚約者の柴門暖の復讐を止めたいすみれさんは、エデルヴァさんに、真海さんに会わせてほしいと頼みました。

その頃、真海さんは、未蘭さんが入院している病院で入間刑事部長と会いました。真海さんは、入間さんにお見舞いの花束を渡し、元愛人の神楽留美(稲森いずみさん)が投資詐欺師の安堂完治(葉山奨之さん)と逃げているということを伝えました。安堂さんとの逃避行を楽しんでいた留美さんは、お守りだと言って、手首に着ける銀色のバングルを安堂さんにプレゼントしました。その後、入間さんと電話で話し、安堂完治は私たちの息子だと話した留美さんは、入間さんが知っていたことに少し驚いていたのですが、真海さんから教えられたことを苦々しく感じている入間さんに対して、私は真海さんに感謝している、あの子に会わせてくれたからと嬉しそうに話していました。そして、留美さんは入間さんに、私たちは一度あの子を捨てたのだから今度は二人であの子を助けようと提案しました。

安堂さんは、留美さんとの待ち合わせ場所に現れた入間さんから、留美さんと入間さんが自分の両親であると教えられ、ショックで吐いていました。入間さんは、早産で息をしていなかったため、死んだと思って遺棄したのだと安堂さんに説明しました。留美さんは、私はあなたが息子だと知って嬉しかった、あなたが生きていると分かって嬉しかったと伝え、落ち込んでいる安堂さんに、変なパパとママでごめんねと謝りました。留美さんは、この人は保身しか考えないからきっとあなたを海外へ逃がしてくれるはずだと安堂さんを説得し、私はあなたの幸せを祈っているからと、バングルをつけた安堂さんの手を握り、入間さんの車に乗る安堂さんを見送りました。

すみれさんと真海さんは、真海さんの母親のお墓の前で会っていました。復讐はもうやめてほしい、本当は辛いのでしょうと訴えるすみれさんに、真海さんは、もうすぐ復讐が終わる、その時私は最高に幸せな気分になると思うと話し、私と結婚してください、と言いました。何もかも捨てて二人だけで暮らそうと言う真海さんの言葉に戸惑うすみれさんに、真海さんは、晩餐会の招待状を送ります、返事はその時までに考えておいてくださいと伝えました。

すみれさんと別れた後、執事の土屋慈(三浦誠己さん)の待つ車に戻った真海さんは、土屋さんに休みを出し、シンガポールに行ったことがないと言う土屋さんに、今度連れて行こうと約束しました。そして、真海さんは、最後の仕事として、土屋さんにGPSが示すある車を追跡させました。

その夜、息子の安堂さんを乗せた車を港に止めた入間さんは、この先に船が待っているからと、安堂さんを連れて暗い港を歩いていました。不安そうな安堂さんに、子供ができたと分かった時留美はとても嬉しそうだったと、22年前のことを話しながら歩いていた入間さんは、ふと立ち止まると突然安堂さんの顔を殴り、倒れた安堂さんに警棒を振り下ろしました。

入間さんは、林の土を掘り、そこへ安堂さんの遺体を埋めようとしていたのですが、安堂さんはまだ生きていました。留美さんも関わっているのかと安堂さんに訊かれた入間さんは、あいつは知らないと答え、少しほっとしたように、これを留美さんに渡してほしいと小さな声で言う安堂さんから、腕のバングルを受け取りました。そして、まだ生きている安堂さんを足で蹴って穴の中に落とすと、その顔に土をかけて埋めました。入間さんが立ち去った直後、暗い林の中に懐中電灯の光が差してきました。現れたのは土屋さんでした。土屋さんは、すぐに土を掘り返し、まだ息のある安堂さんを助け出しました。

世間的には焼死体となって発見されたことになっている神楽さんは、拷問と空腹で倒れていたのですが、物音を聞いてドアののぞき窓を開けると、目の前で真海さんが優雅に食事をしていました。土地を奪うために柴門暖の母親を孤立させて餓死に追い込んだことを認めた神楽さんは、自分は計画を立てただけで何もしていないと訴える神楽さんに、自分の手は汚さない、そういう奴が一番悪質なんだよと怒り、だから私も自分の手を汚さずに人を使って復讐をするのだと、席を立ちました。テーブルの上に残された料理を見て、まだ残っているだろうと料理を欲しがる神楽さんに、真海さんは、お前も留美さんの手料理を残していただろうと言いました。

安心しろ、すぐには殺さないからと真海さんが帰った直後、天野さんがパンとスープを持って部屋に入って来ました。食事に喜ぶ神楽さんに、天野さんは、お金を支払えと要求しました。お金なんかないと訴える神楽さんに、融資したお金がベッドの下に入っていると教えた天野さんは、その札束の中から一万円札を取り出して差し出す神楽さんに、それでは足りない、一千万円だと答えました。

朝、教会で入間さんを待っていた留美さんは、安堂さんが最後に何か言っていたかと入間さんに訊いたのですが、バングルを渡されると、違和感を感じて、本当に船に乗ったのか、何という名前の船かと入間さんを問い詰めました。入間さんの嘘に気付いた留美さんは、教会を出て行く入間さんに、人殺し!と叫びました。入間さんが出て行った後、あなたはあの子を二度殺したと呟いていた留美さんの前に、真海さんが現れました。初めから全部知っていて私に安堂君を会わせたのかと訊く留美さんに、真海さんは、復讐計画の中であなたのことは誤算でした、でもあなたの母の愛に敬意を表したいと言い、感動のお礼にと封筒を手渡し、神のご加護がありますようにと伝えて立ち去りました。封筒の中の書類を見た留美さんは、神様、と呟きました。

警視庁の入間刑事部長は、寺角類(渋川清彦さん)を殺した容疑者として指名手配されることになった安堂完治についての記者会見の様子を中継映像で見ていたのですが、その記者会見場に突然留美さんが入ってきました。死んでいるかもしれないとされている安堂完治について、留美さんは、安堂完治は今静岡の病院に入院しています、私は安堂完治の母親ですと言い、騒然とする会場の記者たちに向かって、父親は警視庁刑事部長の入間公平です、とDNAの鑑定書を見せました。真海さんから渡された書類は、その鑑定書でした。留美さんは、記者のカメラに向かって、あの子は生きています、と嬉しそうに言いました。

記者会見の中継を見て崩れ落ちた入間さんは、急いで自宅に戻り、早く荷物をまとめるよう妻の瑛理奈さんに命じました。しかし、入間さんに隠し子がいることを知って衝撃を受け、留美さんとの間に生まれた隠し子について入間さんを問い詰めた時、俺は未蘭のためにお前と結婚したがお前は財産目当てで俺と結婚したのだろうと言い返された上、この家から出て行けと言われていた瑛理奈さんは、すでに赤い小瓶の中の毒を飲んだ後でした。どこか遠いところで3人で暮らそうと言う入間さんに、もう遅いと言った瑛理奈さんは、口から血を吐いて倒れ込みました。

入間さんは、幼稚園生の息子の瑛人(宇都宮太良さん)を探して、2階の父親の部屋のドアを開けました。貞吉さんの隣には、真海さんが座っていました。激怒する入間さんに、真海さんは、柴門暖に罪を擦り付けたのは父親のためか、それとも自らの保身のためなのかと訊きました。貞吉さんは、会話用の電子ボートで、「すべてわたしのせい」と答えました。真海さんは、私の父・ファリア真海も、貞吉さんのことは良い人だと言っていました、あなたにはそれが受け継がれなかったようだと入間さんに言いました。息子を探しに1階へ下りた入間さんは、瑛理奈さんの遺体のそばで笑い出し、瑛理奈さんの血のついた窓を開けて縁側から庭に出ると、小さなシャベルでその角の土を掘り始めました。

貞吉さんの車椅子を押して部屋を出た真海さんは、嫁の瑛理奈さんの遺体と庭を掘っている入間さんがよく見える位置に車椅子を止めました。私も死にたいと思ったことはあったと、テーブルの上の赤い小瓶を手に取った真海さんは、貞吉さんに止められて小瓶を戻しました。テーブルの向こうに立っていた、入間さんと瑛理奈さんの息子の瑛人さんが、真海さんを睨みつけていました。真海さんは、その瑛人さんの姿を静かに見下ろし、入間邸を後にしました。

その頃、面会謝絶となったままの未蘭さんの病室の前に来ていた信一郎さんは、未蘭さんに誤って毒を飲ませてしまったことを後悔し続けていました。そのような信一朗さんの目の前に、病室から、パジャマ姿の未蘭さんが出てきました。もう大丈夫と笑顔を見せる未蘭さんは、謝る信一朗さんに、信一朗さんと真海さんが助けてくれたのだと感謝しました。どういうことかと驚く信一朗さんに、担当の尾崎医師は、真海さんに頼まれて面会謝絶にしていた、真海さんから瑛理奈さんが未蘭さんを殺そうとしていると言われ、未蘭さんが倒れた時入間さんが警察に通報しなかったことから真海さんの言うことを信じて協力することにしたのだと説明しました。尾崎医師は、薬のことを訊く信一朗さんに、あれは毒ではなく、解毒剤と整腸剤を調合したものだと答え、真海さんは昔からあなたのことを知っていたようですと、真海さんからのメッセージカードを渡しました。その真海さんのメッセージと署名を見た信一朗さんは、父親の葬儀後に気付いたクリーニングに出されたパーカの中に入っていた小切手の署名を思い出し、パーカを貸したホームレスのような男性がいたこと、その男性が柴門恵さんの家について訊いていたことを思い出し、自分が小学生の頃に守尾漁業で働いていた漁師の「暖ちゃん」だったことを思い出しました。

神楽さんは、監禁場所から外へ出されることになりました。真海さんの別荘の晩餐会に参加するためです。迎えに来た秘書の牛山直紀(久保田悠来さん)は、天野さんに、ただ社長を助けたいと思っただけだと言い、真海さんにお金で雇われたのかと訊かれでそのようなものだと言う天野さんから名刺を渡されると、これからもいい付き合いができそうだと二人で笑い合っていました。

一人で真海さんの別荘を訪ねて来た幸男さんは、真海さんの代わりにいたエデルヴァさんにワインを要求し、それを飲みながら真海さんの帰りを待っていたのですが、幸男さんの飲んだワインには眠り薬が入っていたようでした。晩餐会の席に幸男さんを縛り付けたエデルヴァさんは、戻ってきた真海さんから、ある封筒を届けるよう指示されました。また会えますよねとエデルヴァさんが訊くと、真海さんは、君が望むのならと答えました。エデルヴァさんは、いつでも望んでいるわ、と呟きました。

入院中の安堂さんの様子を病室で見守っていた土屋さんがエデルヴァさんに渡された封筒を見ると、そこにはシンガポール行きのチケットが入っていました。

すみれさんが鎌倉の真海さんの別荘に到着した時、晩餐会には、すでに神楽さんと幸男さんが来てテーブルの椅子に座っていたのですが、二人は腕を拘束されていて、床には灯油らしきものが撒かれていました。すみれさんの到着を知った幸男さんが帰れと言う一方、神楽さんは早く席に着けと言いました。すみれさんが着席すると、テーブルの上のキャンドルに火をつけ、乾杯をして晩餐会を始めた真海さんは、15年前の柴門暖とすみれさんの結婚式で流していた、プロポーズの成功を漁港の仲間たちに祝福されている映像を3人に見せました。

真海さんは、その時の自分の姿を見て、騙されそうな男だと言いながら、でも幸せそうだと言いました。真海さんは、最初から柴門暖の存在が気に入らなかったと言う幸男さんと神楽さんとの間の友情が、最初から破綻していたことを確認したようでした。映像を見終わった神楽さんは、お前何なんだよ、と真海さんへの不快感を露わにしました。

復讐をやめさせようとするすみれさんに、真海さんは改めて、必ず幸せにします、私と結婚してくださいとプロポーズをしました。すみれさんは、はい、と答えたのですが、それは神楽さんと幸男さんを助けるためでした。涙を流すすみれさんを見て、現実を知った真海さんは、最後に勝つのは愛なのだと、昔結婚が決まった時に両手を挙げて喜んでいた「万歳」を今度は小さな声で言うと、3人を解放しました。

すみれさんたちが別荘を出て行った後、マッチを擦ってその火を見つめていた真海さんは、楽しかったと呟いてマッチを床に落としました。燃える別荘を見て、炎の中の真海さんを助けようと戻ったすみれさんは、幸男さんと神楽さんに止められました。

後日、土屋さんと留美さんが病院のロビーで会っていました。ロビーのテレビには、俳優の南条幸男や建設会社社長の神楽清や警視庁刑事部長の入間公平が逮捕されたモンテ・クリスト・真海を名乗る柴門暖の復讐劇についての報道が流れていました。土屋さんから安堂さんが目を覚ましたことを教えられた留美さんは、嬉しそうに病室へ向かい、土屋さんは、真海さんのことを報じるテレビに向かって頭を下げていました。怪我をしている神楽さんと火傷を負った幸男さんは、警察で取調べを受けなら、死んでくれて良かったと話していたのですが、燃えた別荘から真海さんの遺体は見つからず、行方は分かっていないということでした。

すみれさんは、娘の明日花さんと二人で柴門家のお墓参りに来ていました。真海さんにと明日花さんが持って来た絵には、空と海が書かれていて、真海さんはお空に帰ったのでしょうと明日花さんに訊かれたすみれさんは、あの人は海から来て空に帰ったのだと答えました。

海岸にいた信一朗さんに会いに行った未蘭さんは、父親は医療刑務所に入ることになったと話し、人間は悲しいね、と言いました。信一郎さんは、真海さんからのメッセージカードを未蘭さんに見せると、そこに書かれていた言葉を読みました。それは「待て、しかして希望せよ」という言葉でした。信一朗さんと未蘭さんは、その言葉を噛みしめるように何度も呟きました。

それから、それがいつのことなのかは分かりませんが、浜辺の波打ち際を一人の男性が歩いていました。そして、防波堤の上で待っていた一人の女性と会っていました。

脚本は黒岩勉さん、最終話となる第9話の演出は永山耕三さんと野田悠介さんでした。音楽は眞鍋昭大さん、主題歌はDEAN FUJIOKAさんの「Echo」という曲でした。

原作は、1844年頃にフランスで出版されたアレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』(邦題『巌窟王』)です。

2時間スペシャルとして放送された最終回は、第9話と第10話をつなげて放送したものなのではないかなとも思うのですが、緊張感を最後まで途切れさせない展開も含め、最終回もとても良かったです。

私はこのドラマの原作の小説『モンテ・クリスト伯』をちゃんと読んだことがないのですが、あるいはそのためか、最後まで少しも飽きることなく、面白く見ることができました。

最後の晩餐会の場面で、第1話の時の15年前の結婚式の場面で流れたKANさんの「愛は勝つ」の歌を使った映像が再び使われていたことは、私には少し意外でもあったのですが、柴門さんは、冤罪の投獄と拷問の恨みによってずっと囚われていた過去の幸せだった日々の出来事が、15年後の今では通用しない現実を、昔の仲間たちと一緒に確かめたかったのかもしれないなとも思いました。その映像を今見ても意味がないと一番分かっていたのは真海さん自身だろうと思います。

暖さんへのすみれさんの思いも、すみれさんへの暖さん(真海さん)の思いも、15年の間に変化していました。真海さんは、すみれさんには全てを捨てることはできないと分かっていて、二度目のプロポーズをしたのでしょうか。それとも、すみれさんが全てを捨てて自分と結婚すると本気で望んでいることを信じていたのでしょうか。二度目のプロポーズの時の嘘は、すみれさんの側だけにあったものなのでしょうか。

純粋に生きることの難しさや、純粋で居続けることの難しさが描かれていたのかなとも思います。この場合の純粋とは、心が美しいというような意味です。

未蘭さんが信一朗さんの飲ませた真海さんの解毒剤で助かったという展開には、ほっとしました。信一朗さんと未蘭さんは、純粋な人のままでした。

辛い過酷な状況にあっても希望を失わずに生き続けるということは、純粋で強い生き方であるように思います。

美しい心の人ということでは、安堂さんの命を二度助けた執事の土屋さんも、安堂さんが死んだと思っていた息子だと分かって母親として生きる希望を持つことができた留美さんも、そうなのだと思います。留美さんがその後神楽さんと離婚したのかどうかは分かりませんが、稲森いずみさんの演じていた留美さんが、少しずつ晴れやかになっていたのが印象的でした。留美さんは、真海さんと出会って幸せになった一人でした。

登場人物たちはみんな、少しずつ不思議な運命でつながり合っていました。複数の国を舞台にした物語という点では「広い世界」を感じさせるのですが、人間関係としては「狭い世界」の物語でした。

登場人物たちの感情、葛藤や欲や憎しみや希望などが丁寧に描かれていたので、心理戦を描くサスペンスとしても良かったです。

柴門暖に生きる希望を与えて「モンテ・クリスト・真海」にした、田中泯さんの演じていたファリア真海にも不思議な迫力がありました。舞台を現代の日本とするには少し現実離れしている物語でもあったと思うのですが、意外と自然な気持ちでこのドラマの物語を見続けることができましたし、それに、主人公の真海さんを演じるディーン・フジオカさんの少し浮世離れした雰囲気が、超人的で貴族的な雰囲気を持つ真海さんにとても良く合っていたのだと思います。以前にも思ったことなのですが、このドラマの真海さんをディーン・フジオカさん以外の俳優さんが演じるとすれば一体誰が合うのか、今の私にはまだ思いつきません。

脚本も演出も良かったのですが、静かでありながらドラマティックな感じのする音楽も好きでした。

このドラマを見始める前には、有名な小説の『モンテ・クリスト伯』がどのようなドラマになるのか、以前のフジテレビのドラマ「カラマーゾフの兄弟」(原作はドストエフスキーの小説『カラマーゾフの兄弟』です。もしも原作を知らなければ、もう少し違う角度でドラマを見ることができたのかもしれません)のようなドラマになるのか、少し心配でもあったのですが、その心配の必要はありませんでした。

私には小説の『モンテ・クリスト伯』とこのドラマの「モンテ・クリスト伯」とを比べることはできないのですが、日本の連続ドラマ版としては、とても良く出来ていたのではないかなと思います。物語の続きを楽しみに、毎週楽しく見ることができました。

最後に海で会っていた二人は、はっきりとは描かれていなかったのですが、真海さんとエデルヴァさんだといいなと思います。その最後のカットまで美しい、完成度の高い、復讐と愛と希望の物語でした。私も最後まで見ることができて良かったです。

シンガポールのセントーサ島での初の米朝首脳会談と、昭南島と篠崎護さんのこと

東京の上野動物園のジャイアントパンダのシャンシャンが1歳の誕生日を迎えたという昨日の12日、シンガポールのセントーサ島で初となる米朝首脳会談が行われました。

私は報道番組で見たのですが、アメリカのドナルド・トランプ大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が少し緊張した笑顔で握手をしていました。

朝鮮半島の完全な非核化へ向けて努力するという約束が合意されたということ以外には、具体的なことは決まらなかったそうですし(そもそも日本の拉致問題の解決のためには日朝首脳会談を行うことが必要だと思います)、「政治ショー」だと言う方もいるそうなのですが、他の首脳会談にもそのような側面はあるように思います。今まで長年敵対するばかりで一度も会うことがなかったという両国の政治リーダー同士が直接会って、和やかに対話をして、非核化へ向けた共同声明を出したことは、東アジアやその周辺地域を平和にする大きな一歩なのではないかなと思いました。イソップ物語の「北風と太陽」の太陽のほうです。

対話が続く限りは米韓軍事演習は行わないとトランプ大統領は会見で話していたようなのですが、いずれは、米軍が駐留している東アジアの国々から撤退する可能性もあるということなのかもしれません。敗戦してアメリカに占領された日本の政府は、占領政策が終わった後も、アメリカ政府にお金を払って在日米軍を日本に置いているようなのですが、日本でも在韓米軍を置く韓国のように、これからの日本をどのような国にしたいのかということを、国民がもっと考えるようにしなくてはいけないのかなということも少し思いました。

ところで、私は、会談の会場となった「カペラホテル」というホテルのある、シンガポールの南のセントーサ島という島のことも、この会談の開催地として決まったと報道されるまで、よく知りませんでした。

セントーサ島は、かつては、島に住んでいたマレー人のほとんどがマラリアで亡くなってしまったことから、「背後から死が忍び寄る」という意味のブラカンマティ島と呼ばれていたそうなのですが、戦後の1972年に公募をして、マレー語で「平和と平穏(静けさ)」を意味するセントーサ島という名前に変わったのだそうです。とてもきれいな青い海に囲まれているリゾートの島で、ユニバーサルスタジオがあるのだそうです。

第二次世界大戦中のシンガポールは日本の占領下にあり、その頃のセントーサ島も含め、シンガポールは当時の日本政府によって昭南島という名前に変えられていたそうです。昭南粛清事件と呼ばれるシンガポールの華僑虐殺事件(華僑粛清事件)では、華僑と呼ばれていた中国人だけではなく地元の人々も日本軍によって殺されたそうで、シンガポールの人たちにとって当時の日本に対する印象は良くないそうです。

そのような日本占領時代のシンガポールの歴史の中に(あるいは大日本帝国時代の日本の戦争の歴史の中に)、日本軍による血の粛清に怯える人々を救った、篠崎護さんという方がいることを知りました。

ナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人にビザを発給して救った外交官の杉原千畝さんは、ユダヤ人を虐殺から救ったという実業家のオスカー・シンドラーに重ねて「東洋のシンドラー」とも呼ばれ、ドラマ化や映画化もなされた有名な方ですし、陸軍軍人の樋口季一郎さんや安江仙弘さんも、ナチス・ドイツの反ユダヤ政策に反発してユダヤ人を救ったそうなのですが(私は数年前に知りました)、「抗日分子」や「反日分子」として日本軍に殺されそうになっていたシンガポールに住む人々を大量の保護証(抗日活動に参加していないことを証明する保証書)を発行して救ったという篠崎護さんのことは、杉原さんや樋口さんや安江さんと同じくらい人道的な行いをした方なのに、樋口さんや安江さん以上に、日本人の間であまり知られていないようにも思いました。

報道記者だったという篠崎さんは、イギリスの占領下のシンガポールの日本総領事館にいた頃にはスパイとして活動したり、第二次世界大戦中には昭南特別市の教育科長や厚生科長を歴任したり、終戦直後には現地で英軍の通訳をしていたこともあるそうなのですが、戦後はシンガポールに移り住んで暮らし、1991年に83歳で亡くなったそうです。

セントーサ島の中には、シロソ砦という戦争遺跡もあるそうで、当時使われていた砲台や、イギリス軍と日本軍の戦いや、日本に占領されていた昭南島時代のことを伝える展示もあるそうです。

セントーサ島が美しいリゾート地らしいということ以外ほとんど知らなかったような私には、昭南島だったセントーサ島の歴史が少し衝撃的でもあったのですが、初の米朝首脳会談が行われた島として、その島の歴史の一部を少しだけでも知ることができて、良かったように思います。セントーサという島の名前のように、平和で平穏な世の中になっていくといいなと思いました。

「花のち晴れ~花男 Next Season~」第9話

TBSの火曜ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」の第9話を見ました。

第9話は、夜道で何者かに「英徳に未来はない」と顔にスプレーをかけられるという被害に遭い、その首謀者が婚約者の馳天馬(中川大志さん)の側近の桃乃園学院の副生徒会長の近衛仁(嘉島陸さん)だと知った江戸川音(杉咲花さん)が、犯人は近衛だと言う自分の訴えと仲間の近衛さんの言うことを同等に扱おうとする天馬さんよりも、こいつの気持ちを考えれば一択だろうと音さんの言うことをそのまま信じて味方になってくれた神楽木晴(ハルト、平野紫耀さん)に惹かれていることを自覚する、という話でした。

脚本は吉田恵里香さん、演出は石井康晴さんでした。

音さんのことで晴さんに説教された天馬さんは、お花屋さんの店先の白いトルコキキョウの花を見て、母親の葬儀の時の自分に音さんが、私は何があっても天馬くんの味方だから、と言ってくれたことを思い出していました。

しかし、音さんのもとに戻った天馬さんが見たのは、晴さんに抱きしめられている音さんの姿でした。音のことだけを考えろ、と再び晴さんに説教された天馬さんは、その後、晴さんの家を訪ねて音に近付くなと晴さんに忠告し、江戸川を諦めないと言い出して殴りかかってきた晴とさんを軽くねじ伏せたのですが、その様子を晴さんの父親の巌(滝藤賢一さん)が見ていました。

巌さんは、息子のことを10点満点中の2点だと評価し、剣道と弓道と柔道で優勝したという天馬さんに、息子との対決を依頼しました。天馬さんには、二種目以上に勝ったら息子を二度と江戸川音さんに近付けないようにすると約束し、息子には、二種目以上に勝ったら自由にするが負ければ神楽木家の跡取りとして自分に従ってもらうと条件を出しました。

次回は、音さんを巡るその対決の話になるようなのですが、今回の話を見ていて、音さんの婚約者の天馬さんと、晴の「彼女(仮)」になったファッションモデルの西留めぐみ(飯豊まりえさん)は、やはり確実に振られそうに見えました。

晴さんは、結局(父親に怒られるまでもなく)、めぐみさんのことでは中途半端になりそうです。今回のようにめぐみさんから“身を引く”可能性もありますが、何となく、音さんと晴さんの話よりも、かわいそうな立場に追いやられているように見える、天馬さんやめぐみさんの話のほうが気になります。

最近は、「ラブコメディー」だったと思われるこのドラマの「コメディー」の要素が減ってきているようにも思えます。楽しく思えることろもありますし、音さんも晴さんも良い人ですし、決して悪いということではないのですが、どのような気持ちで見ると良いのかということが少し分からなくなってきました。ドラマはあと数回なのだと思いますが、「花のち晴れ」のタイトルのように、もう少し晴れやかな物語になっていくといいなと思います。
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