「トドメの接吻」第7話

日本テレビの「日曜ドラマ」の「トドメの接吻(キス)」の第7話を見ました。

2月7日、並樹グループの乗馬倶楽部で次期社長の座を狙う並樹尊氏(新田真剣佑さん)と待ち合わせをしている時に殺されそうになっていた、クルーズ船「プロメテウス」の運航会社社長の息子の長谷部寛之(佐野勇斗さん)を助けようとした堂島旺太郎(エイト、山﨑賢人さん)は、犯人にハンマーで後頭部を殴られて殺されてしまい、12年前の機関室を映したビデオテープもその犯人に持ち去られてしまいました。旺太郎さんの母親の光代(奥貫薫さん)は、霊安室の旺太郎さんの遺体の前で泣いていました。

警察の事情聴取を受けた長谷部さんは、尊氏さんを犯人だと疑っていたのですが、尊氏さんには犯行時間義妹の並樹美尊(新木優子さん)たち家族と一緒にいたという事実がありました。長谷部さんの話から旺太郎さんの知り合いの女性が犯行現場にいたと知った尊氏さんは、前社長秘書の新井郡次(小市慢太郎さん)にその女性を調べさせることにしました。

翌日の朝、美尊さんが見ていた新聞の朝刊には、旺太郎さんの死亡の記事がありました。養子縁組を解消した義兄の尊氏さんとの結婚話を母親の京子(高橋ひとみさん)も進めようとしていることに美尊さんは悩んでいました。宰子さんは、12年前に自分を助けてくれた旺太郎さんの弟の光太さんの靴を見ながら、旺太郎さんに「償え」と言われたことを考え続けていました。

2月14日、尊氏さんと共に役員会議に出席し、役員たちに婚約披露パーティーでのことを謝罪した美尊さんは、尊氏さんから婚姻届を示され、役員たちも自分と尊氏さんとの結婚を望んでいるという事実に動揺し、会議室を出ると、私はお兄ちゃんとは結婚しないと母親と義兄に告げました。仕事でその場に来ていた佐藤宰子(門脇麦さん)は、今の私の心の中には旺太郎さんがいる、旺太郎さんに出会って本当の愛を見つけたのだと言う美尊さんの思いに共感していたようでもありました。そして、ある決意をし、メイド服を着て赤い口紅を塗りました。

尊氏さんを疑う長谷部さんから、旺太郎さんが探していた12年前のビデオテープのことを追及された尊氏さんは、どいつもこいつもあのクズの言うことをと長谷部さんを突き飛ばして首を絞めているところを美尊さんに止められ、ごまかしながら美尊さんに伸ばした手を、触らないでと振り払われました。追いかけてくる尊氏さんを避けるため、化粧室に逃げ込んだ美尊さんは、個室から出て来たメイド姿の赤い口紅の女性に声をかけられました。赤い口紅の宰子さんは、美尊さんの耳元で何かを言うと、美尊さんにキスをして、2月7日の夜に戻りました。

乗馬倶楽部に駆け付けた宰子さんは、ハンマーで旺太郎さんを襲う犯人とほうきで戦いました。旺太郎さんは左腕を殴られて骨折したのですが、長谷部さんが犯人に頭部を殴られて倒れてしまいました。しかし、旺太郎さんと宰子さんは犯人の顔を見ることができました。犯人は尊氏さんを尊敬して従っている友人の布袋道成(宮沢氷魚さん)でした。布袋さんはテープを奪って逃走しました。

気が付いた美尊さんは、今が14日ではなく7日だと知ると、旺太郎さんが殺されると思ってその場に駆け付け、重傷を負って救急車のタンカーに乗せられているのが旺太郎さんではなく、幼馴染の長谷部さんだと気付いて戸惑っていました。旺太郎さんは、宰子さんを見て、まだいたのかと苛立ち、お前が来なければテープを取り返せたのにと怒っていました。生きていてくれて良かった、実はあなたは、と言いかけた宰子さんの言葉を、旺太郎さんは最後まで聞こうとしませんでした。

翌朝、美尊さんは、新聞の朝刊に布袋さんが容疑者となっている記事を見ていました。そして、8時に部屋に入って来た尊氏さんと母親の会話を聴いて、同じだと呟いていました。長谷部さんの病室に行った美尊さんは、旺太郎さんが死んだ世界を夢だと思っているようでした。

旺太郎さんは、興信所の探偵の根津功一(岡田義徳さん)に大金を渡して布袋さんが持ち去ったテープの捜索を依頼したのですが、その時根津さんから、香港から日本に戻って来ていたというパチンコ店にいる父親の写真を見せられました。

その翌日、旺太郎さんは、尊氏さんに裏切られた布袋さんを味方に引き入れるために、拘置所の布袋さんと面会しました。しかし、布袋さんは、尊氏さんに裏切られたのではなく自ら出頭したのだと主張し、殺人犯の子供だといじめられた時、唯一味方になってくれたのが尊氏さんだった、尊氏さんは自分にとって神のような存在なのだと打ち明け、自分のことは諦めるよう旺太郎さんに言いました。旺太郎さんは、テープを布袋さんが尊氏さんに渡したと知って満足していました。

その夜、旺太郎さんが帰宅するのを待っていた宰子さんは、戻りたくなったらいつでもキスをするからすぐに呼び出してほしいと、携帯番号を書いた紙を旺太郎さんに渡しました。旺太郎さんは気味悪がりながらも連絡先を受け取ると、すぐに宰子さんを部屋から追い出したのですが、外に出た宰子さんは、並樹グループの美尊さんとの写真を掲載した週刊誌を手にした汚れた服の中年男性に声をかけられ、あいつは何か企んでいるんですかと旺太郎さんについて訊かれました。その人は名乗らなかったのですが、旺太郎さんの父親で元クルーズ船の船長の旺(光石研さん)でした。

2月14日、会社の下りエレベーターに乗った尊氏さんは、ホームレスのストリートミュージシャンの青年(菅田将暉さん)に、簡単に過去に戻ることができる人がいてその人が自分に敵意を持っていたらどうなるかと話しかけられました。そして、ガード下にいると言うその青年から、高校時代の宰子さんの卒業式の写真を渡されました。尊氏さんは、秘書の新井さんにその女性の調査を頼み、役員会議に臨みました。宰子さんに言われたことを確かめに来た旺太郎さんは、会議室へ向かう尊氏さんを美尊さんを見ていました。

会議で美尊さんは、兄と結婚するつもりはありませんと役員たちの前で断言しました。会議室を出た美尊さんを、尊氏さんと母親が引き止めていると、そこに旺太郎さんが現れ、ホストは今日で辞めます、美尊さんを幸せにしますと言って、嬉しそうな美尊さんを外へ連れ出しました。

しばらくして尊氏さんは、秘書の新井さんから「佐藤宰子」の資料を渡されました。新井さんは、12年前のクルーズ船に乗客名簿にもこの名前があったと尊氏さんに伝えました。

宰子さんは、「今日はキャンセル」という旺太郎さんからのメールを受け取っていました。新宿歌舞伎町のホストクラブ「ナルキッソス」に美尊さんを連れて来た旺太郎さんは、不思議な夢を体験をしていると感じている美尊さんから、寛之が重傷を負った日、私の夢の中ではあなたが殺された、一週間夢を見ているみたいだったと言われてはっとした旺太郎さんは、赤い口紅の女性にキスをされたという美尊さんが、その直前にその人からエイトと幸せになってと言われたと知って、お店を飛び出しました。

宰子さんのことを考えながら街を走り、見つけた宰子さんを呼び止めた旺太郎さんは、俺は死んだのかと訊きました。旺太郎さんは、美尊さんがタイムリープのことを知ったら自分がどうなるかということを気にしてもいたのですが、そのような旺太郎さんに、宰子さんは、あなたを幸せにできるのは彼女だからと言い、あなたが幸せになるまで何度でもキスをする、それを私の幸せにする、私あなたの道具になる、と伝えました。その言葉を聞いた旺太郎さんは、折れていない右腕で宰子さんを抱きしめたのですが、そこへ旺太郎さんを探しに来た美尊さんが現れました。すぐに宰子さんから離れた旺太郎さんは、時間を止めてくれと宰子さんに頼み、それは無理と言われていました。宰子さんを見た美尊さんは、夢で見た人だと思い出していました。

一方、尊氏さんは、ガード下のホームレスの青年に、過去に戻れる人がいるというのはどういうことかと、旺太郎さんと宰子さんについて尋ねていました。

脚本はいずみ吉紘さん、演出は菅原伸太郎さんでした。音楽はKen Araiさんです。

相変わらずこのドラマのオープニングが好きなのですが、第7話の物語も面白かったです。旺太郎さんが撲殺され、キスの力を旺太郎さんに使うことができなくなってしまった宰子さんが、キスをする相手に美尊さんを選ぶという意外性も良かったですし、旺太郎さんと宰子さんと美尊さんと、尊氏さんとホームレスの青年という組み合わせになっていく新展開を面白く思いました(菅田将暉さんの演じるホームレスの青年のテンションは謎ですが)。

宰子さんのキスのタイムリープの力(キスをした相手と共に一度死亡し、7日前の世界に戻る力)は、旺太郎さんにだけではなく、誰にでも使うことができるということなのでしょうか。それとも、誰でもと言っても、宰子さんが決めた相手にだけ使うことができるということなのでしょうか。

宰子さんに酷いことを言い続けていた旺太郎さんが、美尊さんから夢の話を聞いて、7日前に死んだ自分を宰子さんが美尊さんとのキスで(別の世界に?)生き返らせたことに気付いていくところも良かったです。

ただ、前回までを見ていた私には、このドラマでは「キス」がただの「道具」として使われている“ドライ”なところも良いと思えていたのですが、最後の宰子さんの「私、あなたの道具になる」という言葉を聴いて、宰子さんだけが一方的に「道具」になるのは悲しいと思いました。

宰子さんを見て“キス女”を思い出した美尊さんは、旺太郎さんと宰子さんがタイムリープする人だと知ることになるのでしょうか。それとも、旺太郎さんにまたごまかされてしまうのでしょうか。布袋さんに殴られて重傷を負った長谷部さんはまだ入院中です。どのような展開になるのか、次回の物語も楽しみにしたいと思います。

「西郷どん」第7回と、小平奈緒選手の金メダルとイ・サンファ選手の銀メダル

NHKの大河ドラマ「西郷どん」の第7回を見ました。

第7回は、祖父の西郷龍右衛門(大村崑さん)の死から2か月後、24歳の長男の吉之助(鈴木亮平さん)に結婚を勧め、嫁として伊集院家の須賀(橋本愛さん)を迎えた父親の吉兵衛(風間杜夫さん)がある朝突然死し、間もなく母親の満佐(松坂慶子さん)も病状を悪化させて死亡してしまう、という話でした。

脚本は中園ミホさん、演出は岡田健さんでした。

吉之助さん(後の西郷隆盛)の妻の須賀さんは、愛想笑いをするのが苦手な、正直で少し都会的な雰囲気の女性でした。私は以前の大河ドラマ「篤姫」をあまり見ていなかったということもあり、伊集院須賀さんという西郷さんの最初の妻のことをよく知りませんでした。

義父が亡くなった後(亡くなった理由は描かれていませんでした)、須賀さんは、1年の内に2人の死者を出した家は3人目も連れて行かれる、3人目の死者が出る前にお墓に代わりの人形を埋めたほうがいいと聞いたことがあると、吉之助さんたち家族にお墓に人形を埋めることを勧めたのですが、祖母のきみ(水野久美さん)も吉之助さんも、そんな話は聞いたことがない、ただの迷信だろう、気にしないほうがいいと笑って、聞く耳を持ちませんでした。そうしている内に、結局、吉之助さんの母親の満佐さんは病死したのです。

次回予告によると、須賀さんは「不吉な嫁」だと思われてしまうようでした。

須賀さんも、その言葉からすると、吉之助さんたちと同じ薩摩藩(今の鹿児島県)の方だと思うのですが、吉之助さんたちの村とは離れた村の方なのでしょうか。立て続けに2人の死者を出した家のお墓に3人目の代わりとなる人形を埋める、という迷信というか、俗信のような風習を、私は初めて聞きました。死者に連れて行かれる、という発想は私にも分かる気がするのですが、鹿児島にはそのような言い伝えもあるのかなと、少し不思議な感じがしましたし、そのような話が大河ドラマで扱われていたことを面白く思いました。


ところで、このドラマの後の時間にTBSで生中継されていた、韓国の平昌冬季オリンピックのスピードスケート女子500mの試合では、小平奈緒選手がオリンピックレコードで優勝して金メダルを獲得していました。冬季オリンピックのスピードスケートで日本の女子選手が金メダルになるのは史上初のことなのだそうです。すごいなと思いました。小平選手とイ・サンファ(李相花)選手がお互いの健闘を称え合っている姿もとてもすてきでした。そして、試合の後、メダリストの小平選手とイ・サンファ選手とチェコのカロリナ・エルバノバ選手は表彰台の上で白い虎のぬいぐるみを渡されていました。手渡していたのは(フィギュアスケート男子シングルの表彰式に続き)日本人スタッフの方でした。渡す係の人は多国籍なのかもしれないですし、偶然かもしれないのですが、日本人スタッフの方が日本人メダリストに表彰の品を渡しているのを見ると、海外で開催されている大会ではないようにも見えます。

「眠狂四郎 The Final」

フジテレビの「土曜プレミアム」のドラマスペシャル「眠狂四郎 The Final」を見ました。

フィギュアスケートの男子シングルの羽生結弦選手と宇野昌磨選手とハビエル・フェルナンデス選手がメダリストとなり、15歳の中学生棋士の藤井聡太五段が史上最年少で六段となった昨夜には、私は気付かなかったのですが、東京スカイツリーのライトアップの色がゴールドになっていたそうです。その夜9時からは、NHKのBSプレミアムのスペシャルドラマ「荒神」やBSジャパンの連続ドラマ「命売ります」などの放送とも重なっていたのですが、私は放送時間にはこちらの、田村正和さん主演の時代劇「眠狂四郎 The Final」を見ることにしました。

私は有名な「眠狂四郎」をその名前しか知らなかったのですが、柴田錬三郎さんの時代小説『眠狂四郎』を原作に、1972年(昭和47年)から1973年(昭和48年)には田村正和さん主演の連続時代劇(制作は関西テレビと東映)として放送されていたそうです。過去には、鶴田浩二さんや市川雷蔵さんも眠狂四郎を演じていたそうです。

田村正和さんの演じる剣豪の眠狂四郎さん以外の「眠狂四郎 The Final」の主な登場人物は、三味線の常盤津師匠の文字若(名取裕子さん)、瓦版屋の金八(八嶋智人さん)、両親のいない孤児の小弥太(横山歩さん)、眠狂四郎の育ての親だった空然和尚(中原丈雄さん)、老中の水野越前守忠邦(堀内正美さん)、水野忠邦の部下で眠狂四郎と同じ「円月殺法」の使い手の加賀美耀蔵(椎名桔平さん)、その配下として眠狂四郎を狙う侍(原田龍二さん)、眠狂四郎が子供の頃に自害した眠狂四郎の母(松本若菜さん)、その父親の松平主水正(津川雅彦さん)でした。

脚本は齋藤雅文さん、音楽は栗山和樹さん、監督は山下智彦さんでした。京都の太秦で撮影された作品だそうです。

田村正和さんが主演を務める久しぶりの時代劇という理由で、「眠狂四郎」の物語をよく知らないまま昨夜の時代劇を見始めたということもあり、最初の頃は74歳という田村正和さんの演じる眠狂四郎さんの年齢設定や「茶髪」が気になっていたのですが、途中で眠狂四郎さん(「きよしろうさん」にも聞こえます)がオランダ人宣教師との「混血(ハーフ)」の人だと分かり、眠狂四郎さんを「父上!」と呼ぶ、吉岡里帆さんの演じる武家の娘の操が登場した辺りからは「パパはニュースキャスター」のようなコメディー要素も出てきて、フェルナンドという「転びバテレン」(拷問や迫害によって棄教したキリシタンのことを転びキリシタン・転びバテレンと呼ぶそうです)を父親に持つ異母弟だった異教徒の加賀美さんと対決するという少し不思議な物語もなかなか面白く、最後まで楽しく見ることができました。

催眠術で水野忠邦を操ることができた加賀美さんは、兄弟で協力してほしいという亡き父親の望みにこだわらなければ、「新しい国」を作ることができたかもしれません。円月殺法対決で、育ての親と祖父を殺害した弟を討った狂四郎さんは、実は娘ではなく弟の娘という姪だった操さんを、本当の娘のように思い始めていたようだったのですが、結局、別れて生きることになったようでした。

操さんの不在を寂しく思いつつも、狂四郎さんは、転びバテレンを父親に持つ自分の血が「呪われた血」ではなかったかもしれないということに救われていたのかもしれないなと思います。

文字若さんと金八さんと、操さんが連れて来た孤児の小弥太さんの場面はほのぼのとしていて良かったですし、確かに本当の家族のようでした。小弥太さんはそのまま文字若さんの養子になるのでしょうか。「血のつながり」というどうにもならない縛りから解放される物語でもあったのかなと思います。

このドラマのタイトルは「眠狂四郎 The Final」で、タイトルに「The Final」と付いているものを時々見かけますが、「The Final」と付ける意味はあるのでしょうか。私には、付けないほうが良いのではないかと思えます。結果的に最後になったものが、そのシリーズの最後の作品ということで良いような気がします。それに、時代劇のタイトルに英語の「The Final」は合わないような気がします。

私は原作の『眠狂四郎』シリーズも未読で、昔の時代劇の「眠狂四郎」も未見なので、それらの作品と比較することはできないのですが、田村正和さんの静かな佇まいが、眠狂四郎が剣豪であることをよく表していたように思いました。田村正和さんは昔のNHKの大河ドラマには出ていたようなのですが、TBSの「パパはニュースキャスター」やフジテレビの「古畑任三郎」を見ていた私には、田村正和さんがNHKの時代劇や普通のドラマ(現代劇)に出ているという印象がほとんどありません。なぜなのでしょうか。出演するからには主演でなければいけないというような何かがあるのでしょうか。一視聴者の私としては、主役か脇役かに関わらず、現在の大河ドラマのような時代劇にもまた出演してほしいように思えます。

羽生結弦選手の金メダルと宇野昌磨選手の銀メダル

昨日、韓国で開催されている平昌冬季オリンピックのフィギュアスケートの男子シングルのフリースケーティング(FS)の試合が行われ、一昨日のショートプログラム(SP)の試合で首位になった羽生結弦選手が優勝し、平昌オリンピックでは日本人初となる金メダルを獲得しました。右足首の怪我を克服して試合に復帰した羽生選手の力強い演技は圧巻でした。SPで3位だった宇野昌磨選手は、FSの技術点では羽生選手を上回っていたのですが、最初のジャンプで転倒してしまい、しかしすぐに立ち直って、落ち着いたすばらしい演技で2位の銀メダルを獲得しました。SPで2位だったスペインのハビエル・フェルナンデス選手は、エキシビジョンのような演技が楽しかったのですが、3位の銅メダルでした。SPの時よりも上手く4回転に成功し、FSの最後の方にも疲れが見えなかった田中刑事選手は18位でした。

試合中の画面の左上に技術点のカウンターが出ていて、私はフェルナンデス選手の試合中にこのカウンターに気付いたのですが、演技が進むに従ってカウンターの数字が上がっていくのが気になってしまって、斜め上のカウンターを見たり、中央の選手の演技を見たりと、少し散漫とした感じになってしまいました。

全ての試合が終わった直後、ブライアン・オーサーコーチと金メダルの羽生選手と銅メダルのフェルナンデス選手の3人は写真を撮っていて、銀メダルの宇野選手が一人になっていたのですが、お祝いの「くまのプーさん」のぬいぐるみが客席からリンク上に大量に投げ込まれていた試合終了直後に号泣し、フェルナンデス選手と抱き合いながら再び号泣していた羽生選手と、その様子を隣でただ見ているという冷静な宇野選手との明らかなテンションの差が、何だか面白く思えました。

転倒した時金メダルはないと思って笑ってしまったと話していた宇野選手は、他の多くのスケーターたちとは異なり、出番を待っている間、出場選手たちの試合の映像をちゃんと見ていたのだそうです。宇野選手がオリンピックの舞台を特別な場所と感じなかったというのも、面白いなと思いました。

最近の男子シングルの選手は、SPで100点以上、FSで200点以上を取らないと上位には上がれないようです。4回転ジャンプを得意としていたエフゲニー・プルシェンコ元選手が訴え続けていたように、4回転の点数が上がってからは、4回転を跳ばないとメダルには手が届かないようになっているのかもしれません。また、最近の男子選手は、女子選手たちがずっとそうだったように、ジャンプの転倒後すぐに気持ちを切り替えて立ち直ることができるようになっているように思えます。

私はNHKの生中継を見ることができたので、それを見ていたのですが、その中で、ラトビアの18歳のデニス・ヴァシリエフス選手のコーチを務めていたステファン・ランビエール元選手に話を訊いていたのを嬉しく思いました(私は、ロシアのアレクセイ・ヤグディン選手の優勝したアメリカのソルトレークオリンピックの頃からフィギュアスケートを見始めたので、男子フィギュアは、そのアレクセイ・ヤグディンさんやジェフリー・バトルさん、エマニュエル・サンデュさん、エヴァン・ライサチェクさん、ジョニー・ウィアーさん、ステファン・ランビエールさんなどの海外選手の活躍していた頃を特によく見ていたような気がします)。羽生選手と宇野選手をどう思うかという質問に答えていたランビエールさんは、羽生選手の溢れる闘志を、宇野選手の音楽性と芸術性を誉めていたように思います。

羽生選手は前回のロシアのソチオリンピックの時の金メダリストですが、フィギュアスケート男子シングルの「連覇」は、66年ぶりで、1948年と1952年のオスロ大会で金メダルを獲得したアメリカのディック・バトン元選手以来のことだそうです。ディック・バトンさんも、羽生選手のスケートを「美しい」と称賛しているそうです。オリンピックのフィギュアで日本代表選手二人が同時に表彰台へ上がるというのも、初めてのことなのだそうです。

試合の直後の表彰台で、メダリストたちは平昌五輪キャラクターの「スホラン」という白い虎のかわいいぬいぐるみを手渡されていました。前・金メダリストで現・金メダリストとなった「オリンピックを知っている」羽生選手が、写真撮影のために、銅メダルのフェルナンデス選手と銀メダルの宇野選手を表彰台の中央に上げていた様子も、何となく、面白く思えました。

本当の表彰式はその時ではなく、夜に行われるということでした。宇野さんが記者の方に聞き返したことで、一視聴者の私も、ああそうなのかと、そのことを知ることができました。表彰式は、夜の7時過ぎにテレビ朝日で生中継されていました。試合会場の「江稜(カンヌン)アイスアリーナ」の観客も日本人が多かったということなのですが、メダルを授与していたのが日本人(IOC委員で日本オリンピック委員会の会長の竹田恒和さん)だったことも、少し意外でした。もっとこじんまりとしているのかと思っていたけれど思っていたよりも盛大だったと宇野選手が話していた表彰式の様子は、メダリストたちが見ているであろう観客席側があまり映されていなかったので、テレビの映像で見ていた私には、会場がどのくらい盛大だったのかがよく分かりませんでした。厚着の織田信成さんと松岡修造さんのいたセレモニー会場前の気温がマイナス9度だったということは分かりました。とても寒そうでした。

その後のスポーツニュースでは、金メダルを獲得した羽生結弦選手に安倍晋三首相がお祝いの電話をかけたということが、その様子の取材映像付きで報じられていました(銀メダリストの宇野選手にも安倍首相はお祝いの電話をかけたのでしょうか)。もしかしたらまた安倍内閣は、将棋で永世7冠を達成した羽生善治さんと囲碁で7冠を再制覇した井山裕太さんへの授与に続き、「国民栄誉賞」を授与する予定なのかもしれないなと、何となく思いました。

映画「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」

昨夜、日本テレビの「金曜ロードショー」で放送されていた映画「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」(原題「PAN」)を見ました。吹き替え版です。

2015年に公開されたイギリスとアメリカの合作映画だそうです。地上波初放送ということでしたが、本編ノーカット放送とは書かれていませんでした。

主人公のピーター(リーヴァイ・ミラーさん)は、生まれて間もなく母のメアリー(アマンダ・サイフリッドさん)に手紙と笛のペンダントと一緒にイギリスのロンドンのケンジントン公園に置き去りにされた少年でした。孤児院で12歳になったピーターは、第二次世界大戦中のある夜、院長のシスターが呼んだ空飛ぶ海賊船に他の孤児たちと共にさらわれ、海賊の黒ひげ(ヒュー・ジャックマンさん)が支配するネバーランドの炭鉱で妖精の粉の結晶の鉱石「ピクサム」を掘り出すという強制労働に従事させられることになったのですが、仕事を始めてすぐに発見した妖精の粉の結晶を別の作業員に奪われ、盗まれたと騒いだ結果泥棒の当事者とされ、黒ひげに罰せられることになりました。

しかし、高いところから観客の上に突き落とされたピーターは、落ちる前にしばらく宙に浮きました。ピーターをメアリ―と妖精の子供だと考えた黒ひげは、フック(ギャレット・ヘドランドさん)やサム・スミーゲル(アディール・アクタルさん)と共に空飛ぶ船を奪って逃げたピーターを追跡し、「妖精の巣」を守るために海賊たちと戦い続けている先住民族のタイガー・リリー(ルーニー・マーラさん)たちが暮らす森へ侵攻するのでした。

脚本はジェイソン・フュークスさん、音楽はジョン・パウエルさん、監督はジョー・ライトさんという作品でした。

「金曜ロードショー」の解説には、「『ハリー・ポッター』シリーズのスタジオが贈る、ピーター・パンの誕生秘話を描く物語」とあったのですが、それはワーナー・ブラザーズ・スタジオのことのようです。

主に、第二次世界大戦中のイギリスの孤児院から連れて来られたピーターと、そことは違う時間と場所?からずっと前に連れて来られたらしいフックと、ネバーランドの先住民族のタイガー・リリーが、若返りにも必要な妖精の粉を全て手に入れようとする海賊の黒ひげと対決をする物語でした(途中でフックを裏切ってしまったスミーは、結局死亡したのでしょうか。最後の空飛ぶ海賊船「ジョリー・ロジャー号」の上にはいなかったような気がします)。

不幸な境遇で?暮らしている普通の少年が、実は別の世界の“特別な子供”で、別の世界に行って“悪”の大人たちと戦い、ヒーローになっていくという成長物語は、確かに「ハリー・ポッター」的だったように思います。映画「ハリー・ポッター」シリーズの物語をあまり楽しめないでいる私には、昔に初めて第1作の映画「ハリー・ポッターと賢者の石」を見終わった時の印象と似ているというか、この映画「PAN」を見る前に思っていたよりも、物語が浅いというか薄いというか、本当にこれで良いのだろうかと思えるような「ピーター・パンの誕生の物語」でした。

空飛ぶ海賊船で様々な時代や世界から人々を集めては妖精の粉の鉱石を掘らせるという海賊の黒ひげの背景も、支配しているネバーランドがどのような世界なのかという描写もほとんどなく、海賊たちと先住民族との戦いの歴史?もタイガー・リリーが(木の年輪を使ったクレイアニメのようなCGで)ピーターやフックにざっくりと話しただけでした。

ピーターの笛を奪って「妖精の巣」に入った黒ひげたちと戦うピーターが飛んでいる場面にも、私には、“浮遊感”を感じることはできませんでした。ピーターが飛んでいるというよりも、ピーター少年の顔の前方から風が強く吹いてきているという風にしか見えませんでした。浮遊感を伝えるというのはなかなか難しいことなのだなと思いました。また、このピーターと妖精たち(小さな妖精の集団の一人だったティンカー・ベルの描写も僅かでした)と黒ひげの戦いの場面を見ながら、私は何となく、昔の神木隆之介さん主演の映画「妖怪大戦争」を少し思い出しました。

海賊・黒ひげは、“悪”のまま、ピーターたちに滅ぼされたようでした。孤児院のシスターも、分かりやすい“悪”の大人のままでした。

ネバーランドの森の先住民族たちも、先住民族的ではあったのですが、先住民族というよりは、多民族のようでした。1964年(昭和39年)公開の東宝の映画「モスラ対ゴジラ」の島の先住民族の描写に少し違和感があったように、この映画「PAN」の先住民族の描写にも少し違和感がありました。でも、架空の先住民族ということなら、実際の先住民族やそのイメージとは重ねて考えないほうが良いのかもしれません。

黒ひげを演じていた俳優のヒュー・ジャックマンさんがヒュー・ジャックマンさんに見えないというところも、私には少し残念に思えたところでした。

私はNHKのBSプレミアムで放送されていたアメリカのABC系列のドラマ「ワンス・アポン・ア・タイム」のシリーズをとても好きで見ていたので(2016年に「シーズン4」の放送が終わった後、続きが止まっているのですが、BSプレミアムでは「シーズン5」以降の放送予定はないのでしょうか)、フックが良い人で主人公のピーターの「仲間」になって、「敵」は黒ひげであるという部分は一応分かったのですが、ディズニーの「ピーター・パン」を知っていたほうが見やすい映画なのかなとも思いました。

それでも、この映画の物語を「ピーター・パンの始まりの物語」と考えるのは、少し無理があるようにも思えました。

黒ひげかフックが主人公の物語だったらまた違ったのかなとも思うのですが、もしも私が小学生の時にこの映画「PAN」を見たなら、もっと普通に、ピーターたちの「冒険物語」として楽しむことができたのかもしれません。

あと、私としては、12歳のピーター少年の物語が、第二次世界大戦中のロンドンの孤児院の物語として始まったというところも、少し気になりました。「第二次世界大戦中」であるということが、この映画の物語にはほとんど無関係に思えたからです。冒頭の戦争の描写(ロンドンの街は上空に現れた国籍不明の戦闘機から投下された爆弾により、空襲の被害を受けて黒煙を上げていました)も中途半端でしたし、最後、ジョリー・ロジャー号でピーターが友人の孤児のニブス(ルイス・マクドゥーガルさん)たちを孤児院から連れ出した時のロンドンの街からは、なぜかすっかり「戦争」が消えていました。ネバーランドを出たピーターたちが戻ったのは、元のロンドンではなく、「パラレルワールド」のロンドンだったのでしょうか。“子供向け”のファンタジー作品として「戦争」を描かないのであるなら、「第二次世界大戦中」というリアルな設定にする必要はなかったのではないかと思います。

森を守っていた先住民族の族長が黒ひげに殺される場面に赤い血が流れず、銃の煙が綿菓子のようにカラフルだったのも、子供が見る作品ということへの配慮だったのでしょうか。そのようなところも、物語を浅くする要素になっていたような気がします。

真実の愛や友情と自分を信じて前向きに生きることの大切さ、というようなところは(ディズニーの作品にも共通しているのかもしれませんが)、よく伝わってきたように思います。決してすごく悪い作品というわけではないと思うのですが、昨夜に「金曜ロードショー」の枠で見ただけの私には、「ピーター・パン」の一作品としては、何というか、少し物足りない印象の映画作品でした。
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Author:カンナ
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